〇〇大学出身でも地方公務員になれるのか?
地方公務員になるには、〇〇大学と△△大学どちらに進学するのが有利なの?
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
結論から言うと、地方公務員になるには大学なんて関係ありません。
これは、現役の地方公務員として働いている僕の正直な意見です。
これまで一緒に仕事をしてきた同僚・上司の学歴を聞くと、本当にみんないろいろな大学の出身で、特定の学閥が形成されているということをほとんど感じたことがありません。
今回は、これを踏まえた上で、次のことについて現役地方公務員の立場からお答えしたいと思います。
地方公務員になるにはどの大学が良いか?
まず、地方公務員になるにはどこの大学がいいかということですが、
これについてはどこの大学でも良いというのが答えです。
最初にもお伝えしましたが、地方公務員になる上で、どこの大学を出たかということはほとんど関係ありません。
大学のネームバリューや偏差値でランク付けした場合、ランクが低い大学だとダメかというと、そんなことは全くありません。
実際に僕の周りで働いている職員も、いわゆる「Fラン大学」と呼ばれている大学の出身者が一定数います。
東大・京大からFラン大学まで、ほんとにさまざまな学歴の人たちが働いているのですね。
地方公務員になるにはどの学部が良いか?
では、出身大学はどこでもいいとしても、地方公務員になるために有利な学部というものはあるのでしょうか?
これについても、どこの学部でも良いというのが答えです。
一般行政職の職員だけ見ても、古典や哲学の研究をしていた文学部の出身者や、理系の研究系の大学院を出た人など、様々な学問的経歴を持った人が働いています。
なかには、文化人類学というあまり聞き慣れない学問を研究していた人もいました。
この先輩は、地方公務員になってから文化人類学とは全く関係ない、どちらかというとイケイケの部署に配属されることが多いと言っていました。
つまり、地方公務員になるためにはどこの学部がいいかということは全くないのですね。
採用後の配属先についても、どこの学部出身かということはほとんど関係ない、というのが現実なのです。
この学部を出ておいた方が有利かも(強いて言うレベル)
しいて言うならばこの学部を出ておいた方が有利かもしれないという学部はあります。
それは、法学部です。
なぜなら、地方公務員をはじめとする役所の仕事は法律によって、できることがガチガチに固められているからです。
役所で働くにあたって法律の存在を常に意識しなくてはならなく、そのため、法律の知識は必要不可欠になってくるのです。
ここが、民間企業との大きな違いなのです。
もちろん、これは公務員として採用されるために有利な学部という意味ではありません。
つまり、法学部を出ておくと、公務員として実際に仕事をする上で多少有利になるということなのです。
法律の知識や法的なものの考え方があるのとないとでは、地方公務員として働き始めたときに、仕事に対する取り組みやすさが変わってくるのです。
採用された後の仕事のしやすさを考えると、法学部出身者の方がスタート地点で有利なのは間違いないでしょう。
出身大学や学部に関して1つだけ気をつけるべきこと
どの大学のどの学部出身かということが、地方公務員になるためには関係ないということをお伝えしました。
しかし、1つだけ気をつけるべきことがあります。
それは、大学や学部について面接試験で必ず聞かれるということです。
なぜその学部を選んだのか?
その学部で学んだことはどう活かせると考えているか?
きっとこのようなことが聞かれるでしょう。
なんだ、やっぱり出身大学や学部が関係ないなんてウソだったのか!
いえいえ、大学や学部によって試験が不利になるということではありません。
どの大学のどの学部の出身かという事実が重要なのではありません。
「大学や学部といったエピソードを通して、どのように考えどのように行動したか」ということについて自分の言葉でしっかりと説明できることが重要なのです。
そのため、なぜその大学のその学部に進学したか、大学ではどんなことをしてきたかについて、しっかりとした説明を常日頃から用意しておくことが重要なのです。
本音ではなく建前の理由を
そして、自分がなぜその大学にその学部選んだかという理由は、建前の理由でないといけません。
なぜなら、考え方や行動パターンに一貫性があるのか、そして、それらの考え方や行動パターンが地方公務員を目指す志望動機としっかりとリンクしているかということが、面接試験では見られているからなのです。
なんとなく就職するのに有利そうだったから。
偏差値的にちょうどいいレベルだったから。
このように本音の理由を言ってしまうと、他のエピソードとの一貫性がなくなったり、公務員の志望動機とうまく結びつかなくなったりしてしまいますよね。
なので、くれぐれもこのような消極的な本音の理由ではなく、しっかりと建前の理由を整理することに注意しなくてはいけません。
面接試験で大学や学部について聞かれた時、なぜ自分が公務員を志望したかという動機とうまくリンクする理由整理ができていれば、面接での評価が上がることは間違いないでしょう。
そのために、本音ではなく建前の部分の理由をしっかり整理しておく必要があるのです。
そもそも大学を出る必要があるのか?
ここまでは、大学や学部が地方公務員になるには関係ないということをお伝えしました。
では、そもそも地方公務員になるために大学に行く必要があるのでしょうか?
これについては、必要ないでしょう。
地方公務員試験では、高校卒業者を対象にした試験区分(地方初級試験)がちゃんと用意されてます。
むしろ、大学なんて行かなくてもになれる、ということが地方公務員のメリットとすら言えるでしょう。
昔はともかく、最近では大卒や高卒といったことが出世にはあまり関係しません。
実際、僕の周りでも、高卒で出世している人もそれなりにいます。
もちろん、どこの高校出身なんていうことも関係ありません。
関係あるとすれば、大学や学部と同じように、面接で聞かれることくらいでしょう。
その場合も、「今自分がなぜその高校のその学科に進学したのか」ということについて、しっかりと理由を整理しておけば問題ありません。
まとめ
今回は、地方公務員になる上で出身大学や学部は関係ない、ということをお伝えしました。
ポイントをまとめると次のようになります。
大事なのは出身大学や学部などではなく、採用試験に合格するためにひたすら学力試験と面接試験の対策をすることです。
地方公務員になるには、〇〇大学や△△大学のどちらかに進学するのが有利
このようなネット上の噂はすべて、実際に地方公務員になったことがない人が言っているデマです。
そんなことにに惑わされてるヒマがあったら、さっさと予備校に通うなどして、腰を据えて勉強に打ち込む方が得策と言えるでしょう。