毎日定時あがりのゆっる〜い職場というイメージが公務員にはあるようですが、そもそも地方公務員の職場にサービス残業なんて存在するのでしょうか?
答えは Yes です。
世間一般的にはゆるい職場と思われがちな地方公務員の職場でも、じつはサービス残業はしっかり存在するのです。
この記事では
- 地方公務員のサービス残業の実態
- なぜ地方公務員の職場にもサービス残業が存在するのか?
- どういう人がサービス残業をしてしまうのか?
- サービス残業を回避するための対策
について、現役の県庁職員である僕の見解を述べています。ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
地方公務員のサービス残業のリアルな実態
地方公務員がサービス残業しているなんて意外ですよね?
僕も公務員になる前は、地方公務員の職場なんて毎日きっちり定時で帰れるものだし、残業するにしても15分単位できっちりと残業代がつくものと、すっかり思い込んでいました。
しかし、実態はそうではないのです。
サービス残業の時間的相場
かつて所属していた課では、定時+30分のサービス残業は当たり前で、多い人で1時間ほど残業代をつけずに残業をする謎の風習がありました。
最初は気づかなかったのですが、自分の業務にも繁忙期が訪れるようになり結構遅くまで残業するようになってからは、毎日必ず一定数の人が30分〜1時間くらい残業しているのを目の当たりにしました。
しかも、残業代を全く請求することなく。
サービス残業に気づいたきっかけ
その時僕は、課内の庶務を担当するグループに所属していました。
そのため、他の職員の残業記録を見ることがあったのですが、驚いたことに、記録と実態があっていなかったのです。
どう考えても、本当の残業時間よりもはるかに少ない残業時間がそこに記されていたのです。他の課の状況もだいたい同じということを後で聞きました。
残念ながら地方公務員の職場でもサービス残業は確実に存在するのです。
なぜ地方公務員の職場にもサービス残業が存在するのか?
なぜ、こういったサービス残業が日常的に行われているかというと、残業しすぎると怒られるためです。
厳密に言うと、ここで言う残業とは「残業したという記録を残す」ことなので、逆に言えば、記録に残らない残業は残業時間に含まれないのです。おかしな話ですが。
超過勤務削減という時代の流れ
時代の流れはワークライフバランス。地方公務員も例外ではありません。
というかむしろ、国が旗振り役となっている以上、同じ行政組織である地方公共団体も民間企業のお手本になるために率先して残業時間を削減していかないといけないのです。
県庁でも「年度内の残業時間を〇〇時間以内に抑える!」といった残業時間の削減目標が掲げられていますよ。
残業しまくると始末書を書かされる?
僕がかつて所属していた課でも、残業時間があまりにも多い人は、直属の上司と一緒に業務改善計画書のみたいなものを提出させられていたのを見たことがあります。
このため、残業したという記録が残らないようにするために毎日ちょこちょことサービス残業して業務を処理していたのですね。
もちろん、全ての地方公務員がサービス残業しているということでは必ずしもありません。次の章では、サービス残業をよくしている地方公務員の傾向について詳しく説明したいと思います。
「予算の上限を超えると残業代がつかない」はウソ
ちなみに、予算の都合上残業代がつかないというのはウソです。
部内の残業代のやりくりをよく知っている元総務課職員の立場として、これについてははっきり No と言えます。
確かに、人件費の予算は課ごとに設定されていましたが、それをオーバーしたからといって直ちに残業代がつかないということはありえません。
オーバーした時は、財政課や人事課と協議をしてよく残業代にあてるための人件費を引っ張ってきたり、どっかしら余った事業費予算から流用してくるのです。
突発的に業務で、あっという間に割り当てられた人件費を食いつぶしてしまうことなんてよくあります(例えば、コロナウイルスに対する保健福祉部の業務など)。
災害対応で毎日夜中まで働いているのに、予算を超過したからという理由だけで残業代がつかなければ暴動が起きますよね?
当然そんなことがありません。普通に残業していれば残業代はしっかりつきますのでご安心を。
サービス残業をしている地方公務員の傾向は?
仕事に対してマジメすぎる
まず、仕事に対してマジメすぎる人はサービス残業をしてしまいがちです。
仕事に対してマジメな人というのは、今日はここまで仕事を終えてしまおうという目標をかっちり決めていて、少し定時を過ぎてでも仕事を切りがいいところまで終わらせたいと考える傾向にあります。
先輩や上司が定時を過ぎてもだらだらと残っているような職場は、そういう真面目な人にとってサービス残業をするための格好の環境です。
たとえ明確にサービス残業をする意図がなくても、定時のチャイムが鳴った音も周りがダラダラ残っていたら、「まだ帰らなくてもいいんだ」っていう風になっちゃいますよね?
どうしてもその日のうちにやり切ってしまわないといけない仕事じゃない限り、次の日にまわしたって構わないのです。仕事に対してマジメすぎる人は要注意です。
まわりの顔色を伺いがち
周囲の顔をよくうかがってしまうという人も、サービス残業をしがちな傾向にあります。
退庁を知らせるチャイムが鳴っても周りが一向に帰ろうとしなければ、そのような帰りづらい雰囲気に負けてしまい、急ぎの仕事もないのについついダラダラと残ってしまうのです。
例えば、新規採用されたばかりの若手職員だと、どうしても先輩や上司に気を使ってしまうようです。最初からおかしく思っていたのですが、新規採用職員が帰りづらそうにしてたら先輩や上司が退庁を促すのが普通ですよね?
逆に、部下がダラダラと残っているため、管理職員が帰りづらく感じてしまうというパターンもあるようです。相手の顔色をうかがってばかりの人たちがお互いに気をつかいあって、結果として帰りづらい職場を作り出しているのでしょう。
基本的に時間にルーズ
サービス残業をよくしている人の中には、 基本的に時間にルーズな人も一定数います。こういう人は、通常の勤務時間中はだらだらとおしゃべりしているのに、夕方頃になると急にスイッチが入るのです。
てっきり、毎日ちょこちょこ残業をして残業代ドロボーをしようとしているのかと思っていたのですが、どうやらそうでもないみたいです。
家庭に居場所でもないのでしょうか?理由はよく分かりませんが、朝からだらだらと仕事をして、その延長線上でサービス残業しているという人も一定数見受けられます。
僕がサービス残業を回避するためにしてきた対策
定時退庁する努力をする
毎日、定時に退庁するという強い意識を持って仕事をすると、けっこう定時退庁できるものです。
- 効率的なアプローチで業務を処理して、勤務時間終了前の1時間を予備時間にするようにつとめる。
- 夕方頃に突発的な仕事が降ってきたら、納期を確認して、明日に回せるようであれば明日に回す。
サービス残業を回避するために、具体的に僕が実践していたことの一例です。
民間企業に勤めてる人にとっては、いちいち説明するまでもない当たり前のことかもしれませんね。
しかし、こういう当たり前のことを心がけるだけで、サービス残業を回避することは出来るのです。
ちょっとの勇気を出して誰よりも早く帰ってみる
その日のうちに終わらせないといけない仕事がないのであれば、終業のベルが鳴るのと同時に誰よりも早く退庁することを心掛けています。
必要なのは、ほんの少しの勇気です。職場が変わったときに最初は少し緊張しますが、定時退庁キャラを一度印象付けてしまえばあとはラクです。
先輩や上司を差し置いてわれ先に帰るなんて、きっと怒られてしまうのではないかと思うかもしれませんが、それは自分の中で勝手に作り出した幻想にすぎません。
僕は新規採用されてから、繁忙期をのぞいて、ほとんど毎日誰よりも早く職場を出ていました。当然、それで誰かに怒られたことなんて一度もありません。
もしかしたら快く思ってない人もいるかもしれませんが、そんな人のことは気にする必要はありません。
仕事で迷惑をかけていないのであれば、無理やり仕事を見つけて義理で職場に残る必要は全くないのです。
残業するときはまとめて残業する
僕は基本的には定時ぴったり退社派ですが、どうしても繁忙期というものからは逃れられません。そういう時は、1週間に1回曜日を決めて夜遅くまで残るように心がけています。
議会業務のように連日深夜までの残業を求められるものはなかなか難しいですが、出来る限り残業する日を集約するように努めています。
それでもし残業代が付かなかったら、それはサービス残業ではなくて、紛れもない闇残業。人事課に知れ渡ったらアウトのヤツですね。
現実はあまりそんなことはありません。残業する時は一週間に一回などにまとめて残れば、働いた分しっかりと残業代をもらえることでしょう。
おわりに
地方公務員の現場にも存在するサービス残業は、単なる雰囲気によって生み出されているものということがわかりいただけたでしょうか?
定時退庁は全く伝説などではありません。実際に僕がそうしているのですから。もし定時退庁が伝説だとすれば、僕は伝説の男なのですかね?笑
いや、そんなことはありません。誰しも気持ち次第でサービス残業なんて回避することは可能なのです。
ちまちまサービス残業なんかしてないでちゃんと残業代をつけましょうよ。