

このような心配をしていないでしょうか?
結論をいうと、これらの心配はすべて無用です。
特に、留年することが採用に不利にならないということについては、ハッキリと言えます。
というのも、なにを隠そう、この僕自身、大学を留年して地方公務員になったからです。
というかむしろ、留年してしまった人こそ地方公務員試験を受けるべきだと考えています。
今回は、留年経験ありの現役地方公務員の立場から留年にまつわる疑問についてすべてお答えしたいと思います。
留年は公務員試験に不利になるのか?
まず、留年すると公務員試験を受ける上で不利になるのかということですが、これについてははっきり No と言えます。
つまり、地方公務員の場合、留年は全く不利にならないのです。
なぜなら、僕自身、大学を留年したのですが、地方公務員試験を受ける上で全く不利にならなかったためです。
それどころか、最終的に上位合格することすらできました。
公務員試験は、年齢制限さえクリアできれば誰でも受験可能です。
実際のところも、年齢や出身大学・学部によってまったく合否に影響がないというところが1つ大きなメリットとしてあります。
自分自身が留年経験者だからこそ、公務員試験に留年は全く不利にならないとハッキリと断言できるのです。
留年してしまった人こそ公務員を目指すべき理由
自分の体験から、留年してしまった人こそ地方公務員を目指すべきだと僕は考えていますが、その理由は主に2つあります。
公務員の昇進はある程度年齢が考慮される
まず、 地方公務員の昇進はある程度まで年齢に基づいているからです。
つまり、留年してしまっても、普通に仕事ができていれば、ストレートで大学を卒業した人達と同じ年齢で昇進することができるのです。
特に若いうちは、昇格する年齢がほとんど決まっています。
実力があるからといって、他の人よりもはるかに若い年齢で昇格するということはほとんどありません。

たとえば、主事から主任への昇格はだいたい30歳前後、主任から主査はだいたい35歳前後と決まっているのです。
留年したからといって、他の人よりも昇進のスピードが遅くなるということは全くありません。
つまり、留年によって他の人よりも入庁が遅いという事実は、最初の昇進によってリセットされてしまうのです。
留年すると民間企業に就職できないと考えたほうが良い
地方公務員とは違い、民間企業の就職活動は、留年することによって圧倒的に不利になってしまいます。
1年の留年ならまだしも、2年以上留年するとまともな企業に就職できる可能性は絶望的に低くなってしまうでしょう。
実際僕も、地方公務員の試験を受ける前に何社か民間企業の採用面接を受けましたが、「留年した」という事に対する風当たりの強さを肌で感じたものです。
もちろん、面接の手応えはなく、結果は全て不合格です。
これに対して、地方公務員であれば、僕のケースのように、留年が採用試験の合否に及ぼす影響はほとんどないと言えるでしょう。
年齢制限にさえ引っかからなければ誰でも合格可能なのです。
それから、地元での就職を考えているのであれば、ただでさえ地方公務員以上の待遇が期待できる民間企業の数自体が少ない中、留年することによってますますその可能性は低くなってしまうことでしょう。
地方公務員だと、留年していようが学歴が低かろうが、高待遇が待ち受けているというところが大きなメリットなのです。
つまり、留年している人にとっては、民間企業よりも地方公務員を目指す方がはるかに合理的な選択と言えるのですね。
留年してしまった人が公務員を目指す上で注意するべきこと
地方公務員試験を受ける上で、留年がほとんどマイナスにならないことは確かですが、1つ注意するべき点があります。
それは、面接試験で聞かれた時のために、留年した理由をしっかりと説明できるようにあらかじめ準備しておくことです。
そして、理由なら何でも良いというわけではなく、「公務員を志望する動機」や「地方公務員としての適性」などと結びつくような考え方や行動パターンが表れている理由であることが必要なのです。
卒業しようと思ってたけど、単位が足りなかったから留年した。
このような本音の理由ではダメだということは、もちろんわかりますよね?
〇〇の活動にさらに取り組むため、留年を決意した。
留年中の△△の経験を通じて、公務員を志望する気持ちが強まった。
たとえば、このように「公務員を志望する動機」や「地方公務員としての適性」意識するだけでも、だいぶ印象は違ってきますよね?
もちろん、ウソをついてはいけませんが、無理のない範囲で話をふくらませることによって、話に奥行きが出てくるのです。
「どこの大学出身」とか「留年してしまった」という事実は変えようがありません。
重要なのは、それらのエピソードをとおして、「なぜ自分が地方公務員を目指すようになったか」とか「こんなにも自分は地方公務員に向いている」とアピールすることなのです。
詳しくはこちらの記事でも解説していますが、公務員の志望動機や適性としっかりと結びつくような理屈整理をあらかじめしておくようにしましょう。
採用後に留年してしまったら内定取り消しになる?
留年しても地方公務員試験を受ける上では問題にならないということはわかったけど、公務員の内定後に留年が決まってしまった場合どうすればいいの?
たとえば、大学4年の夏に内定をもらった後、単位がそれはないなどの理由で大学を卒業できなくなってしまうことも想定されます。
このような場合、一般行政職に限って言えば、内定取り消しにはなりません。
というのも、多くの地方自治体では、一般行政職の試験区分に年齢制限を設けているだけで、最終学歴そのものを受験資格にしていないためです。
とりあえずそのまま働き始めてしまうことが最善
では、内定後に留年が確定した場合に具体的にどうすればいいかと言うと、最善の方法は、大学を卒業せずにそのまま働き始めるということです。
もちろん、「大学卒業」という肩書きがないため、普通に大学を卒業した同期と比べて初任給が下がってしまうことは仕方ありません。
しかし、大学を卒業するまで内定を保留、あるいは、内定そのものを辞退してしまえば、働くことによって本来得られるはずの給料や経験が得られないというロスが生じてしまいます。
公務員として働きながら大学を卒業することも可能
大学に通わなくても試験を受けるだけで単位が取れるような状況であれば、公務員として働きながら大学を卒業することもできるので、まずはとりあえず働いてしまうことをお勧めします。
大学の半期分の授業料も、公務員として数ヶ月働くことによってペイできてしまうので、あまり気にする必要はないでしょう。
それから、在職中に大学を卒業すれば、次の昇給のタイミングで「大学卒業」の要素が加味されて有利に働く可能性も大いにあります。
いずれにしても、留年したからといって直ちに内定が取り消しになるわけではないので、どのようにするのが一番良いのか、内定先の自治体に相談して決めるのがよいでしょう。
注)一般行政職の区分が最終学歴を採用要件にしていないのは、あくまでも僕が勤めている県庁の例です。自治体によって取扱いが異なる場合もあるので、受験予定の自治体の受験要項を必ず確認するようにしましょう。また、内定後にもし留年が確定した場合、対応について内定先の自治体に素直に相談することを強くおすすめします。また、採用区分によっては年齢だけではなく最終学歴を採用の要件にしている区分もあるので、ご注意下さい。
まとめ
今回は、民間企業と違って地方公務員の採用試験を受ける上で「留年」が関係ないということについてお伝えしました。
不利にならないどころが、むしろ、地方自治体という組織は年功序列のところがまだまだ残っているため、中に入ってしまえば、「留年という事実がリセットされる」というメリットすらあるのです。
もし、大学の留年が決まってしまったら、早めに公務員志望に方向転換してしまうのが良いでしょう。