

今回は、現役公務員がこのような疑問にお答えします。
この記事の内容
公務員は本当に安定しているのか
公務員が安定してると言える本当の理由
この記事の執筆者
キャリア5年以上の現役の地方公務員
5年以上連続で毎年8,000円以上基本給アップ
採用以来、有給休暇を確実に年15日以上取得
安定しているかどうかは、仕事を選ぶ上で重要な要素ですよね?
この記事では、現役公務員の実体験をもとに公務員が本当に安定しているかどうかについてまとめてみました。
仕事探しの1つの参考にしていただければと思います。
安定した仕事とは?
そもそも、安定した仕事とは何でしょう?
公務員が安定した仕事かどうかを判断する前に、まず、「安定した仕事」の定義について明らかにしておく必要があるでしょう。
「安定した仕事」とは、
収入が安定している
ワークライフバランスが実現できる
会社の経営が安定している
リストラがない
転職しやすい
の5つの条件を満たす仕事のことと一般的に言われています。
以下では、この定義にしたがって、僕自身の体験を踏まえながら、公務員が本当に安定しているのかについて解説してゆきます。
公務員は安定しているのか?

最初に紹介した「安定した仕事」の5つの条件のうち、「転職しやすい」以外の4つの要素をほぼ完全に満たしているのです。
それぞれポイントについて、具体的に理由を解説していきます。
収入が安定している
公務員の収入はかなり安定しています。
勤務成績に関わらず毎年かならず昇給する
不況にも強く、市場が冷え込んでもほとんど給料が下がることがない
という点で、公務員は民間企業に比べてかなり恵まれています。

もちろん、年齢が上がるにつれて昇給幅は少なくなっていきます。
しかし、懲戒処分を受けでもしないかぎり、給料が下がることはないのです。
民間企業と比べて、公務員の収入が安定していることは間違いないでしょう。
ワークライフバランスの実現
ワークライフバランス、すなわち仕事とプライベートを両立できるかという点においても、公務員はかなり恵まれています。
一般的なワークライフバランスの取り組みとしては、
定時に職場を出ることができるか
有給休暇をしっかりと取得できるか
仕事と育児を両立できるか
などがあります。
あくまで僕自身の例ですが、公務員だと、
忙しい時期以外、ほぼ毎日定時で退庁している
有給休暇は、毎年必ず15日以上取得している
子供の予防接種は、必ず休みをとって付き添っている
といったことが可能です。
ちなみに、仕事と育児の両立については、女性だけではなく、男性の育児休業取得率もとても高いです。

民間企業に勤めている妻いわく、これはありえないことらしいです。
ワークライフバランスという点においても、公務員は民間企業よりもかなり恵まれているのですね。
会社が倒産しない
公務員の場合、「会社」が倒産するかもしれないという心配は不要です。
国や地方自治体がなくなることは絶対にありません。
財政破綻した、あの夕張市でさえ潰れていないのです。
公務員の仕事、つまり、行政に対する需要は、社会や市場が変化し続ける限り無限に生まれるのです。
つまり、公務員の仕事は、
社会・市場のニーズの変化 →
新しい民間のサービスが誕生 →
民間企業の自由競争では解決できない新たな問題の発生 →
行政による解決
という流れで生まれます。
たとえば、最近話題になっている「民泊」を事例にして具体的に説明すると、
空き家問題を背景にした民泊市場の活性化
民泊事業者や仲介サービス(Airbnbなど)の誕生
宿泊者の騒音やゴミ出しマナーの悪さや宿泊施設の不備の問題
行政による届出の義務化
という流れになります。
民泊によって新たに生まれるゴミ出しや劣悪な宿泊環境の問題は、当然、民間の自由競争によっては解決することができません。
ここで行政が登場して、民泊事業のルール整備を行うわけですね。
このように、行政サービスに対する需要が尽きることはありません。
行政ニーズが尽きなければ、当然、サービスの担い手である国や地方自治体もなくなることはないのです。
リストラされない
それから、自分自身が首を切られるいわゆるリストラにならないかということも、安定した仕事かどうかを判断するための基準になります。
会社組織自体がなくならないにしても、業績好調な企業が、将来的な経営リスクを見越して予防的に行うリストラ、
いわゆる「黒字リストラ」という言葉もあるくらいですから。

たしかに、「分限免職(ぶんげんめんしょく)」と呼ばれる、民間企業のリストラに相当する制度があります。
しかし、分限免職の事例は少なく、実質的には公務員にリストラというものはないのです。
転職しやすい
ただ一つ公務員に当てはまらないのが、この「転職しやすい」という指標です。

公務員の人材としての市場価値が低くなってしまうのは、
公務員の組織において最適化すればするほど無能な人材になる
そもそも民間企業と仕事の性質が違うため、公務員としての能力に汎用性がない
といった理由からです。
公務員の組織において最適化すればするほど無能な人材になってしまうメカニズムについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、民間企業と仕事の性質が全く違うというのは、つまり、
民間が利益を目的にしているのに対して、公務員は利益を目的としていない
公務員の役割が民間が参入しないけど必要とされているサービスの提供、という意味で両者が同じフィールドで仕事をしていない
といったことです。
乱暴な言い方をすると、公務員としての必要なスキルを身につければ身に付けるほど、民間企業にとって不必要な人材になっていくのです。
若いうちに転職でもしないかぎり、公務員の転職は絶望的でしょう。
まとめ
今回は、「公務員が安定してるか?」というテーマについて解説しました。
この記事のまとめ
公務員は、一般的に言われている「安定した仕事」の5つの要素のうち、「転職しやすい」以外の要素をほぼ完全に満たしているため、かなり安定した仕事と言える。
とても安定している公務員ですが、「転職のしにくさ」というデメリットがあるのは確かです。
しかし、当然ずっと公務員のままでいるのであれば、「転職のしにくさ」はデメリットにはなりません。
もし、仕事探しで最も重視している条件が「安定性」であり、末永く同じ会社で働くことに何の問題もなければ、間違いなく公務員はオススメと言えるでしょう。