うつ病の休職者が多いと言われている地方公務員ですが、どのようにすればメンタルヘルスを保ち続けることができるのでしょうか?
幸いにして、僕はこれまで地方公務員として働いてきた中で、一度もメンタルヘルスの不調をきたしたことはありません。しかし、振り返れば、もしかするとあのときうつ病になっていたかもしれないということは何度か経験したことがあります。
とくに、年間の総残業時間が300時間を超えた年は、正直言ってメンタル的にとてもきつい時期でした。
この記事では、地方公務員として働いている僕が、日頃からメンタルヘルスを保つために実践している(心がけている)5つのことについてまとめてみました。人としてよろしくない、少しブラックな手法も含めて紹介したいと思います。
仕事を頑張りすぎない
地方公務員の仕事は目に見える成果が分かりにくいため、自分が満足するまで、ひとつの仕事に時間をかけようと思えばいくらでも時間をかけることができます。そのため、最低限の条件をクリアしてさっさと次の仕事に進んでしまう方が得策なのです。
そこに変なこだわりや付加価値をつけようとすると時間はいくらあっても足りません。
全ての仕事に対して全力投球してしまうと、それだけ残業する可能性も増えてしまいますし、何よりも恐ろしいのは、そういう仕事のやり方をしていると突発的にたくさん仕事が増えた時にすぐにパンクしてしまうリスクがあることです。
もし自分の仕事の成果が最低ラインに達してるかどうか自信がないのであれば、一度同じグループの係長や課長補佐に相談してみるのが良いでしょう。
そこで彼らが「まあいいんじゃない」って言ってくれれば、もうその仕事はそれで終わりです。もうそれ以上その仕事に時間をかけてはいけないのです。
最低限のことだけこなし一つ一つの仕事に時間をかけないようにすれば、心にゆとりをもって仕事ができ、メンタルヘルスを保つことができるでしょう。
「いい人」にならない
最低限の仕事だけこなしパンクしないようにつとめていても、周りから気安く話しかけられるようなキャラだと仕事のリズムが狂いがちになります。ちょっとした業務妨害も積み重なると結構大きな影響を仕事に与えるのですね。
極端な話、地方公務員は言われたことだけこなせばやっていける世界なので、自分の頭で考えることができない人が結構多いです。経験上、年配の職員の方がこの傾向が強いです。
そういう人たちから一度「いい人」認定されると、ちょっと考えればわかるようなことでも、すぐに相談をされるようになってしまうのです。しょうもない質問攻めの電話がひっきりなしに鳴り、集中力を削いていくことでしょう。
そういうとき僕がよくしているのは、「急ぎでなければ、後で手が空いたときにかけ直します」と言って電話を切り、そのまま放置プレイすること。もちろん、トゲを立てることなく、のらりくらりとです。
そうすれば無事、誰からも余計な話をかけられることはなくなり、仕事に集中する環境が出来上がります。
そして、不思議なことに、何日経っても彼らから督促の電話がかかってきません。どうやら、自己解決しているみたいです。
早めにSOSのサインを発する
仕事がパンクしそうになったら、本当にパンクしてしまう前に自分から上司に対して SOS のサインを送ることが大事です。
もちろん、地方公務員の職場には、常に部下の状況に目を光らせてくれるマネジメント能力に優れた上司もいます。
しかし、 マネジメント能力がない名ばかり管理職員が一定数いるのもまた事実です。そのような名ばかりの管理職員の場合、わざと見過ごしているのでなく、カンが悪いので本当に気づいていないというケースがあります。
業務がパンクしそうな時は、比較的手が空いてる他の職員にヘルプしてもらうように、自ら上司に促しましょう。
何も仕事がないときは有給休暇をとる
ぜいたくな悩みかもしれませんが、仕事がヒマで張り合いがないと、それはそれで鬱々とした気持ちになり、メンタルヘルスの不調をきたしかねません。
これまで僕が経験してきた県庁の部署は、繁忙期と閑散期の差がかなり激しいところばかりでした。
仕事が忙しい中、パンクしないように心がけて仕事していると、今度はいつのまにか逆に時間を持て余してしまうなんてことがよくあるのです。
そのように、ある時突然閑散期が訪れたら、積極的に有給休暇をとって職場を離れるようにしています。
次の日までにやらないといけないような仕事がなければ1日休むこともできますし、普通に職場に行って午前中の仕事の感触を見て午後から休みを取るのも良いでしょう。
信じられないかもしれませんが、出先機関のヒマな部署でもうつ病になってしまう人が実際にいるそうです。何も仕事がないのに職場にずーっといるのは精神衛生上良くないのですね。
アフター5の楽しいことを考える
もう一つ、閑散期のメンタルヘルスを保つ秘訣は、「アフター5や週末はどんな楽しいことをしようか」と考えながら片手間に仕事することです。
繁忙期の反動から閑散期の張り合いのない仕事は、退屈に押しつぶされそうになります。
地方公務員の仕事は、もちろん頭をフル回転にして取り組まないといけないものもありますが、頭をほとんど使わない単調で機械的な作業が多いことも事実です。
そういう機械的な仕事に取り組むときは、パソコンカタカタと打ちながらも僕の心の中はオフタイムの楽しいことでいっぱいです。もちろん手を動かしながらですが。
さいごに
地方公務員にうつ病の患者が多いのは、仕事のやりがいがないことがひとつの原因であると考えています。
たしかに、激務の民間企業と比べると、忙しいと呼ばれている部署でさえ業務量自体は大したことはないかもしれません。
しかし、やりがいのない仕事をやり続けているときの、あの何とも言えない徒労感や出口のない海をさまよっているような絶望感は、地方公務員の職場にも同じように存在します。
自分なりにメンタルヘルスを保つ方法を確立しておくことによって、地方公務員として長く働くことのできるでしょう。