

今回は、このようなお悩みに現役地方公務員がホンネでお答えします。
この記事の内容
地方公務員になってよかったと思うこと
地方公務員になって後悔していること
この記事の執筆者
キャリア5年以上の現役の地方公務員
この記事では、
スケールがでかい仕事が出来てよかった
地域社会への貢献を実感できて幸せを感じている
といった、実感のない建前を語るつもりは一切ありません。

地方公務員を就職先として考えているのであれば、きっと参考になるはずです。
地方公務員になってよかったと本気で思うこと
僕が地方公務員になって本気でよかったと思うのは、
休みが取りやすい
競争によるストレスがほとんどない
年齢制限ギリギリに採用されてもデメリットがない
地方都市で豊かに暮らせる
という4つの理由からです。
休みが取りやすい
世間のイメージどおり、地方公務員はとても休みが取りやすいです。
この点では、本当に地方公務員になってよかったと思っています。
公務員の良いところは、ただ単に休暇制度がたくさんあるだけではなく、実際に活用しやすいところです。
例えば、僕の場合ですが、
毎年かならず15日以上は年休を消化
夏季休暇などの特別休暇も合わせると、年間20日ほどは休んでいる
妻が出産前後で休みをたっぷり取れた(土日祝日も入れたら多分月の半分くらい休んだ)
結婚休暇も5日連続取得
とかなり休みまくっています。
もちろん、ここまでたくさん休んでいる職員ばかりではありませんが、やろうと思えばこれくらいは全然余裕でできるのです。
きっと暇な部署ばかりを転々としてきたのだろう
なんて想像をするかもしれませんが、実際にはそんなことはありません。
むしろ、これまでの異動先は、深夜残業や休日出勤がわりと当たり前の部署ばかりでした。
しかし、議会や予算など、忙しい時期がある程度スケジュール化されていれば、合間をぬって休みまくることができるのです。

休みがとりやすいという点においては、世間のイメージどおり地方公務員が最強なのではないでしょうか。
競争によるストレスが少ない
地方公務員だと、世間のイメージどおり、競争フリーな環境で働くことができます。
仕事の定量的な成果がないため、ノルマもない
昇給がほぼ年功序列
どんなに無能でも、めったにリストラされない
と、恵まれています。
特に、他人と比べられ、激しい競争にさらされことにものすごいストレスを感じる、僕のような人間にとっては天国です。
そういう意味では、本当に地方公務員になってよかったと思います。
公務員というだけで、出世しなくても、ある程度の年齢まで自動的に給料が上がります。
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そのため、
サービス残業をして仕事頑張ってますアピール
若手職員による意識高い系の研修に参加
出世しそうな人との飲み会に参加して関係づくり
なんて出世のための不毛なことする必要もありません。
というか、公務員の場合、出世することに何のメリットもないので、むしろ能力をダウングレードしながら仕事をするくらいが丁度良いのです。
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競争原理が働かないので、当然、無能な職員の割合も高くなります。
まわりが無能ばかりなので、デキル人と自分を比べ、コンプレックスに打ちひしがれることもなく、精神衛生にも良いです。
他人との競争にしのぎを削ることなく、のびのび働きたいのであれば、地方公務員がおすすめです。
年齢制限ギリギリで採用されるデメリットがない
年齢制限ギリギリで採用されるデメリットがないことも、地方公務員ならではの良いところと言えるでしょう。
地方公務員の場合、毎年の昇給幅が限られるので、働き始めるのが人よりも数年遅いくらいであればすぐに取り戻せます。

それでも、「勤務成績良好」の評価をもらい続けてきたこともあってか、今では階級も基本給も年齢相応です。
仮に、大手企業にすべりこみで就職できたとしても、もしかしたら同年代と給料や階級の格差にコンプレックスを今でも感じていたかもしれません。
というか、国家公務員や民間企業の場合、大学卒業後に何年も空白期間があったり、留年や休学を繰り返したりしているヒッピーは、そもそも採用対象外です。
地方公務員だと、年齢制限にさえ引っかからなければ、チャンスは誰しも平等です。
就職時の年齢が20代後半だったことを考えると、地方公務員はまさに最適な就職先だったと言えるでしょう。
地方都市で豊かに暮らせる
地方都市で豊かに暮らせるということも、僕が地方公務員になってよかったと思うことの1つです。
他人との距離がちょうどいい
都市の規模感がちょうどいい
生活コストが低い
通勤のストレスが少ない
自然が豊か
食べ物が安くて美味しい
…
このように、地方都市は「大都市」と「田舎」のいいところを組み合わせた最高の生活環境です。
では、なぜ「地方都市で暮らすこと」と「地方公務員になること」が関係あるかというと、
地方公務員になることによって、地方都市で生活する上でのネックが解消されるからです。
一見、良いことばかりの地方都市生活ですが、一つだけ
賃金が低い
安定した仕事がない
といったことがネックになってきますね。
地方公務員は、地方だと相対的な年収が高く、しかも、安定しています。
つまり、「地方公務員」と「地方都市」という組み合わせが最強なのです。
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たしかに、年収の絶対額だけみると、地方の地方公務員は首都圏の大企業や公務員には及びません。
しかし、地方都市というくくりの中で見ると、話は変わります。
つまり、同じ地方の民間企業の給料と比べても平均してかなり高い額の給料がもらえるのです。しかも、安定的に。
相対的な年収が高ければ、それだけ、可処分所得が増え、選択肢が広がるのですね。
僕が、数ある地方公務員の中でも、
首都圏の地方公務員
ド田舎の町役場の職員
ではなく、
県庁職員という仕事を選んだ1つの理由は、この「地方都市で豊かに暮らせる」というメリットがあるからなのです。
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地方公務員になって後悔したこと
もちろん、地方公務員になってよかったことばかりではありません。
僕が地方公務員になって後悔しているのは、
仕事内容にやりがいが見いだせない
思っていたよりも、全然仕事が楽じゃない
という主に2点です。
仕事内容にやりがいが見いだせない
公務員の仕事内容は単調で無駄が多く、やりがいがありません。
それにもかかわらず、世間では、
仕事のスケールがでかい
多くの人と関わりながら仕事ができる
地域社会に貢献を実感できる
といったことが地方公務員のやりがいとされています。
たしかに、地方公共団体という組織レベルでみると、そのとおりかもしれません。
しかし、実際に公務員になってみるとよく分かるのですが、個々の職員が、このようなやりがいを実感しながら仕事をすることはほとんどありません。
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少なくとも僕は、一度も実感したことはありません。
組織レベルでのやりがいと、個々の職員のやりがいはまったく違うものなのです。
思っていたよりも仕事は楽じゃない
それから、世間が思っているほど公務員は楽ではありません。
当然、公務員の職場にも、楽な部署があるのと同時に、忙しい部署もあります。

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そして、2〜3年に一度の部署異動があるため、誰もが忙しい部署に飛ばされるリスクを抱えながら仕事をしているのです。
運悪く忙しい部署に異動してしまうと、
残業の常態化
土日祝日の出勤
昼休憩中もなく、暗い部屋でデスクワーク
といったことが当たり前となります。
残念ながら、世間からは「公務員はラクで安定」というイメージを持たれがちです。
たしかに、民間企業に比べて「安定している」のは間違いありません。
しかし、思っているほど「ラクではない」。
厳密に言うと、「公務員は楽」というイメージは半分正しくて、半分間違っている、といったところでしょうか。
公務員だからといって、必ずしも楽をできるわけではないのです。
まとめ
今回は、地方公務員になってよかったことと後悔していることについてまとめました。
この記事のまとめ
地方公務員になって本気でよかったと思うのは次の4点
- 休みが取りやすい
- 競争によるストレスがほとんどない
- 年齢制限ギリギリに採用されてもデメリットがない
- 地方都市で豊かに暮らせる
地方公務員になって後悔していることは次の2点
- 仕事内容にやりがいが見いだせない
- 思っていたよりも楽じゃなかった
仕事探しで一番やってはいけないのは、何となくのイメージだけで決めてしまうことです。
偉そうに言っていますが、この僕自身、
「公務員になったら楽できそう」
「地域のいろいろな人の利害を調整してやりがいがありそう」
といったイメージをもったまま公務員になってしまったため、少し後悔しています。
結果的には、地方公務員になるデメリットよりもメリットの方が大きいので満足していますが。
このブログでは、県庁の採用担当者や公務員試験予備校と一切関係ない、現役の地方公務員が個人の立場から公務員のリアルを発信しています。
良いことも悪いことも包み隠さず発信していますので、地方公務員に興味を持っているのであれば、ぜひ参考にしていただければと思います。