

まず最初に、結論を言います。
「公務員になる」という目標が決まっているのであれば、高校卒業後すぐに公務員になるべきです。

この記事の内容
「高卒公務員こそ最強」だと言える5つの理由
この記事の執筆者
キャリア5年以上の現役の地方公務員
旧帝大の国立大学を卒業
高卒の上司・同僚との仕事経験あり
僕は大卒で公務員になりましたが、あまりにも高卒の職員との間に差がないので、
本当に大学に進学した意味なんてあったのかな?
とすら思っています。
差がないどころか、むしろ、高卒で公務員になることのほうがメリットが多いとすら感じています。
この記事を読み終わるころには、
大卒の公務員
大卒で民間企業に就職
ではなく、高卒で公務員になることが最強の選択肢ということをきっとお分かり頂けるはずです。
高卒公務員が最強だと言える理由
僕が高卒の公務員が最強だと思うのには、
- 給料・待遇が大卒公務員と変わらない
- 大手民間企業のような学歴フィルターがない
- 大卒者よりも4年早く稼げる
- 公務員として必要な基礎知識をじっくりと身につけられる
- 採用試験の準備が大卒者と比べてラク
と、大卒と比べて圧倒的なメリットがあると考えているからです。
それぞれ具体的に解説します。
給料・待遇が大卒公務員と変わらない
意外かもしれませんが、地方公務員の場合、
給料
福利厚生
出世スピード
において、大卒と高卒ではほとんど差がありません。
たしかに、高卒公務員の方が大卒公務員に比べて初任給は低いです。
しかし、高卒で公務員になったとしても、4年後には大卒公務員の初任給にほぼ並びます。
県庁の例でいうと、ほとんどが
高卒者の初任給は1級5(9)号俸
大卒者の初任給は1級25(29)号俸
と20号俸の差をつけていますが、
たいていは毎年4号俸昇給するので、高卒の公務員でも4年後には、1級21(25)号俸になるのです。
出典:岡山県庁:行政職給料表
つまり、高卒公務員でも、4年後には大学新卒の公務員とわずか4号俸しか差がないことになるます。
しかも、毎年4号俸というのはあくまで普通に昇給したときの話であって、勤務成績が優秀だと、6号俸から8号俸昇給するのです。

給料以外の福利厚生面においても、大卒者しかもらえない手当や特別休暇というものは存在しませんし、出世のスピードについても、高卒と大卒では差がありません。
実際、これまで僕の上司になった課長職の最終学歴は、4割ほどが高卒でした。
大卒の立場から言わせてもらうと、せっかく大学を卒業したのだから少しくらいは優遇されたいものです。
しかし、残念ながら大卒と高卒の待遇の違いを見つけることができていません。
大手民間企業のような学歴フィルターがない
大手企業のような学歴フィルターは、公務員には存在しません。
採用の時点で、結構キツめの学力試験を設けているため、あえて学歴によってフィルタリングをしていないのです。
当然、表向きには明言されていませんが、大手企業には確実に学歴フィルターが存在します。
とくに、モノづくり企業では、
高卒社員 → 工場勤務のブルーカラー
大卒社員 → 本社勤務のホワイトカラー
という区分けがしっかりしています。
もちろん、高卒で工場勤務などの下積みを経て、本社勤務になる人もいるでしょう。
しかし、そのような例はごく少数で、大卒者と平等に扱われるチャンスは公務員の方がはるかに大きいと言えるでしょう。
また、完全実力主義の企業だと、学歴は関係ありませんが、
福利厚生が大企業ほど充実していなかったり
ノルマが厳しかったり
と、それはそれでシンドいです。
つまり、高卒で就職できる選択肢の中では、公務員がもっともコスパが良いのです。
高卒者が大卒者と同等の就労環境や安定性を手に入れたいのであれば、手っ取り早く公務員になりましょう。
大卒者よりも4年早く稼げる
高卒公務員の方が大卒よりも4年早く稼ぐことができるというメリットがあります。
若いうちから稼ぐことができれば、
コツコツと貯金して、同年代よりも多くの金融資産を作ることができる
親に負い目を感じることなく自由にお金を使うことができる
お金の重みを感じることにより、生活費に対するコスト感覚が早くから身につく
など、多くのメリットがあります。
たしかに、高卒公務員の年収はたいした金額ではないかもしれません。それでも、4年働き続ければ金額にして1,000万円以上稼ぐことができます。
実家で暮らしたり職員住宅を活用したりすることで住居費をおさえれば、それなりに貯金することもできるでしょう。
大学で勉強する知識
お金に関する感覚を養うこと
社会に出てから役に立つのは、もちろん後者です。
高卒で働くことによって、大学生が高い学費を払って大学に通っている間にも、早くからお金に関する感覚を養うことができるのです。
公務員として必要な基礎知識をじっくりと身につけられる
高卒で公務員になることによって、大卒と比べて公務員としての基本をじっくりと時間をかけて身につけることがてきます。
高卒で公務員になっても、最初の数年は本格的な業務を任されることが少ないため、基礎知識の習得に時間を使うことができるのです。

もし仮に、忙しい部署に配属されたとしても、ついこの前まで高校生だった若手職員が、即戦力としての仕事を任されることはほとんどありません。
一方、大卒だと、なぜか最初から即戦力として仕事を任されることが多く、業務をこなしながら基礎を身につける負担は大きくなります。
僕も、最初から何もわからない状況で、本庁のそこそこ忙しい部署に配属されたため苦労した経験があります。
公文書の体裁や用語の使い分けのルール
起案から決裁までの流れ
よく使う財務規則や基本条例・規則
このような公務員としての基礎は、すぐに身につくものではありません。
必ずしも条例・規則やマニュアルを読めば一発で解決するわけではなく、体系化されていないされていないこともよくあります。
公務員の仕事をしていく上で重要な基礎知識をじっくりと身につけることができるのは、高卒公務員ならではのメリットと言えるでしょう。
採用試験の準備が大卒者と比べてラク
高卒者の方が大卒者に比べて、公務員試験の準備的な負担が少ないというメリットがあります。
通常、大卒者向けの採用試験の出題範囲は高卒者向けの試験の出題範囲よりも広く、内容の難易度も上がっているため、準備にかなりの労力を要します。
一番大きな違いは、大卒者向けの試験では、高卒者向けの試験の出題範囲に加えて、専門試験(法律・経済・行政学など)も出題されるというところです。

たしかに、大学生の方が高校生よりも4年間専門的な勉強しているため、大卒者向けの採用試験の難易度が高くなることは当然と思うかもしれません。
しかし、公務員試験の受験者がすべて法学部や経済学部の出身者かというと、全くそういうことはありません。
法学・政治・経済学の基礎知識がなければ、全くのゼロ知識から専門試験の勉強を始めなくてはいけないのです。
全くのゼロ知識から採用試験の準備始めないといけないとなると、当然、出題範囲が狭く難易度の低い高卒者向けの試験を受ける方が有利であるということは間違いありません。
まとめ
今回は、「高卒公務員こそ最強」と思う理由を中心に解説しました。
この記事のまとめ
高卒公務員は最強
なぜなら、
-
給料・待遇が大卒公務員と変わらない
-
大手民間企業のような学歴フィルターがない
-
大卒者よりも4年早く稼げる
-
公務員として必要な基礎知識をじっくりと身につけられる
-
採用試験の準備が大卒者と比べてラク
と、大卒と比べて圧倒的なメリットがあるから
公務員になるのは、プロ野球選手になるのに似ています。
プロ野球選手になれるのであれば、大学野球というまわり道などせず、高校卒業後ストレートにプロ野球選手になってしまうほうが良いですよね。
それと同じく、公務員も高卒でさっさと働き始めるほうが良いのです。
しかも、大卒の資格なんて公務員として働き始めてからでも、どうにでもなります。
「将来は公務員になる」と決めているなら、進学というまわり道などせずにすぐに公務員になるべきではないでしょうか。