

この記事では、このようなお悩み・疑問に現役の公務員が回答します。
後悔のない進路選びの参考にしていただければと思います。
この記事の内容
公務員になりたくない人に見られる4つのパターン
公務員になりたくない人に向けたアドバイス
この記事の執筆者
キャリア5年以上の現役地方公務員
一時期公務員になりたくない時期を経て、今ではどっぷり公務員の世界につかっている
公務員になりたくない人によく見られる4つのパターン
- 過半数近くの就活生が「公務員になりたい」と言っている
- 民間企業の社員の多くが地方公務員を羨ましく思っている
このような中、なぜ「公務員になりたくない」がいるのでしょうか?
僕が思うに、公務員になりたくない人には、
- 親の公務員推しがすごすぎる
- 仕事内容に興味がない
- 安定性に魅力を感じない
- 公務員に対して良いイメージがない
という4つのパターンがあります。
親の公務員推しがすごすぎる
とにかく公務員になりなさい
親からこのように言われつづけたため、公務員になりたくないというパターンは多いのではないでしょうか。
たしかに、何かにつけて人から頭ごなしに言われ続けると、反発したくなりますね。
では、彼らの親がそこまで子供に特定の職業を押し付けようとするのはなぜなのでしょうか?
1つ目は、
自分自身が民間企業や自営業として苦労してきたため、子供には安定した職業についてもらいたいと心から願っている
というケースです。
公務員のことをよく知らないため、「公務員は楽でヒマで安定」という世間のイメージをそのまま信じていることが多いと考えられます。

【体験談】地方公務員は楽ではない!地方公務員の仕事が楽かどうかを決める3つの要素
2つ目は、
自分自身が公務員で、公務員がいかに恵まれた職業かを十分に知っている
というケースです。
このような人は、
- 公務員という職業が合っている
- 「仕事のつまらなさ」と「待遇の良さ」にうまく折り合いをつけている
などの理由で、長らく公務員として働いているのではないでしょうか。
どちらのケースも、親として子供が仕事で苦労せず、安定した生活をできるよう強く願うのでしょう。

子供としては、「公務員になれ」と頭ごなしに言われ続けることになります。
そうすると、公務員のメリット・デメリットを客観的に判断するまでもなく、感情的に嫌になっていくのです。
仕事内容に興味がない
公務員の仕事内容に興味がないという人が、公務員になりたくないと思うのは自然なことです。
特に、やりたい仕事がすでに決まっていて、その気持ちが強い人は、公務員の「将来性」というものに見向きもしません。
将来その産業が存在しているかどうかという損得勘定よりも、今自分がこの仕事をやりたいという情熱の方を優先するのです。
公務員は将来安泰なのか?4つの基準ごとに現役公務員が考察してみた
民間企業が何か新しいモノやサービスを作り出したり、拡大したりするのに対して、
行政は、民間企業などがスムーズに活動できるように環境整備する、後方支援的な役割しか果たせません。
また、仕事の性質も
- 成果指標が目に見えづらい
- 組織自体が成長しない
- コスト意識が必要ない
と民間企業と比べて、つまらない点が多いです。
組織や自分の成長を短期スパンで実感したい
明確に自分のやりたいことが決まっている
このような人には公務員は不向きだし、そもそも公務員になりたいとは思わないでしょう。
「安定性」に魅力を感じない
公務員のメリットである「安定性」に魅力を感じないというのも、公務員になりたくない人によく見られる傾向です。
「安定性」に魅力を感じない人には、
転職を前提にした職業観を持っている
自分の市場価値に自信がある
という特徴があります。
公務員は、総じてかなり安定した職業であることは間違いありません。
しかし、「人材としての市場価値」が低くなるというデメリットがあることもたしかです。
「安定した仕事」の定義
一般的に次の条件を満たす仕事を「安定した仕事」と言う。
- 収入が安定している
- ワークライフバランスが実現できる
- 会社の経営が安定している
- リストラがない
- 転職しやすい
【現役公務員が回答!】公務員が安定しているのは本当か?
たしかに、ずっと続ける前提であれば、公務員はバツグンに安定した就労環境だと言えるでしょう。
しかし、その反面、公務員として働き続けることによって人材としての市場価値は落ちていきます。
転職を繰り返すことでスキルや経験を増やしていきたい
このようなキャリアプランを描いている人にとって、公務員の安定性は何のメリットにもならないのです。
むしろ、自分の市場価値が下がるというデメリットだけが際立ってくることでしょう。
自分の市場価値の高さを自覚している人にとって、公務員になるという選択肢は合理的ではないのです。
公務員に対して良いイメージがない
公務員に対してあまり良いイメージがないという人も、公務員になりたがらない傾向が見られます。
社会人になったら1日の1/3を職場で過ごすとも言われていますね。
つまり、人生の大半を仕事に費やすると言っても過言ではないでしょう。
自分が忌み嫌う人達と過ごしたくない、というのは当然の感情です。
市役所や警察署の窓口でいつもイラつく対応をされる
メディアの報道で公務員の不祥事ばかりが放送されている
公務員宿舎の近くを通りかかった時、駐車場でタバコをふかしているおじさんを見かけた
など、日常の中で公務員に対する負のイメージが蓄積される場面は多いです。
もちろん、どこの組織にも必ず組織のイメージを悪くする人というのが一定数います。
これがもし民間企業であれば、対応の悪い組織は誰からも見向きされなくなり、自然消滅することでしょう。
それに対して、公共団体だと、潰れることはそうそうありません。

このような感情が、マスコミやインターネット上の過度な公務員バッシングにつながり、一層負のイメージを助長させるかもしれません。
むかつく連中と一緒に働きたくないだけではなく、自分が公務員になることによってこのような批判の矢面に立たされたくないという気持ちもあるでしょう。
いずれにしても、公務員に対して良いイメージを持っていない人は、公務員になりたいとは思わないのです。
公務員になりたくない人へ勝手にアドバイスします
ここでは、公務員になりたくない人に勝手にアドバイスしたいと思います。
公務員になりたくないという気持ちがありつつも、なんとなく心のどこかに引っかかりがある
このような人にはぜひ見てほしいです。
ちなみに、
自分の市場価値を客観的に正確に把握した上で、公務員になりたくないと思っている
将来の具体的なアクションプランを描いていて、公務員が選択肢にならない
このような人は見ないでください。
正直、時間のムダになりますので。
感情論で決めてはいけない
まず、一時の感情で自分の進路を決めてはいけないということです。
感情論で動くことによって、適性のない職業を選んでしまうというリスクがあるからです。
「〇〇になりたい」というプラスの感情・情熱であれば、たとえ適性が低かったとしてもなんとかなります。好きこそものの上手なれですね。
しかし、それが消極的なマイナスの感情である場合、自分の客観的な適性を見誤ることがよくあります。
公務員に対する感情的な反発だけで特にやりたくもない民間企業に就職してしまっては、結局向いてなかったということになりかねません。


その気持ち、よくわかります。
しかし、その感情だけですべて決めるのは、かなり危険です。
親が「公務員になれ」と言ってくるのは、当然、公務員になることにメリットがあるからです。
それから、公務員はイラつく人も多いけど、優秀な人や人間的魅力にあふれた人もいます。
- OB・OG訪問
- ブログ・SNS
などで、民間企業の社員と公務員の両方からぜひ話を聞いてみてください。
僕が地方公務員になってよかったことと後悔していること
そのうえで、自分の職業適性を客観的に洗い出し、進路を決めるのが良いでしょう。
選択肢は公務員or民間のどちらか一択ではない
民間→公務員の転職はよく耳にすると思いますが、じつは公務員→民間の転職も意外によくあるのです。
一般論でいうと、たしかに公務員の市場価値は低いです。
しかし、一般論はあくまで一般論であって、僕の周りでは地方公務員から普通に民間企業に転職した人が結構います。
行政組織だけが持つノウハウ
官公庁との取引関係
などを求めている企業は少なからず存在します。

この人は普通に仕事ができていたので、そのまま県庁にいてもきっとサクッと出世していたでしょうが。
公務員になって人材の市場価値が下がるのは、単に自分が組織に染まってしまうからです。
公務員に無能な人材が多い4つの理由!現役職員が語る悲しき真実
一度公務員になってしまったら一生公務員のまま
なんて言われますが、案外そうでもないのです。
まとめ
今回は、「公務員になりたくない人」というテーマについて解説しました。
この記事のまとめ
公務員になりたくない人がよく掲げる理由は次の4つ。
- 親の公務員推しがすごすぎる
- 仕事内容に興味がない
- 安定性に魅力を感じない
- 公務員に対して良いイメージがない
進路決定は、感情論ではなく、現役の民間社員と公務員の両方からリアルな話を聞いた上で、自分の客観的な職業適性と照らし合わせて決めるべき。
一般的なイメージに反して、民間→公務員だけではなく公務員→民間という転職という道もそれなりにある。民間or公務員の二元論で考えなく良い。