

今回は、現役公務員がこのような疑問にお答えします。
この記事の内容
公務員が嫌われやすい職業である理由
【体験談】実際に公務員になったら嫌われやすくなるのか?
この記事の執筆者
キャリア5年以上の現役公務員
公務員が嫌われやすい職業である3つの理由
実際に公務員が嫌われるかどうかは別として、公務員は嫌われやすい職業であることは間違いないでしょう。
公務員が嫌われやすいのは、
- 市民と接する公務員のレベルが低い
- 本質的に羨ましがられる存在
- マスコミや政治家などによって負のイメージが増幅されやすい
という主に3つの理由によると、僕は考えています。
市民と接する公務員の印象が悪い
市民と直接接する部署にかぎって
- 無能(コミュ障・手際が悪い)
- 楽そうにしている
といった、印象が悪い職員が集められがちです。
地方公務員ってそんなに楽?なぜ世間からは「地方公務員は楽」だと思われるのか?
このような職員の方が一般市民と接することが多いため、
公務員は高圧的・態度が悪い (原因:コミュ障職員の機械的な説明)
公務員はヒマで毎日定時あがり(原因:出先機関の圧倒的な業務量の少なさ)
というイメージを抱かれる原因になるのです。
公務員のイメージを悪くする職員が直接住民と接する部署によせ集められのは、業務の性質上しかたないことです。
行政組織の仕事は、ざっくりいうと
- 対外的業務(住民相談対応・検査業務など)
- 内部管理業務(予算・人事など)
に分かれます。
もちろんどちらも重要なのですが、内部管理の方が仕事が複雑でかなりの集中力を要します。
より重たい仕事の方に人的リソースを集中させようとするのは、組織として当然のことですね。
たとえば、県庁の場合、
- 主に内部管理業務を担うのは本庁
- 主に対外的業務を担うのは出先
という分担があるので、どうしても本庁よりも出先の方にレベルの低い職員が集中しがちなのです。
公務員に無能な人材が多い4つの理由!現役職員が語る悲しき真実
市役所や町村役場の場合、対外的業務が大きなウエイトを占めるため、一概に「窓口対応の職員=無能」とは限らないでしょう。
しかし、どこの行政組織であっても、印象の悪い職員に限って市民の接することが多いということは、一般的な傾向と言えるでしょう。
本質的に羨ましがられる
「羨ましいと思う職業」に関するある調査によると、民間企業と比べても毎年首位を独占しているのは、「公務員」です。
出典:リスクモンスター株式会社ホームページ
それほど、公務員は世間から「羨ましい」と思われる職業なのです。

【現役公務員が回答!】公務員が安定しているのは本当か?
「羨ましい」という感情は、「妬ましい」というマイナスの感情に変わりやすいものです。
当然、誰かのことを「羨ましい」と思っているうちは何も問題ではありません。
むしろ、「羨ましい」という気持ちをキッカケに自分自身を奮い立たせることもできるので、良いことですらあります。
公務員を羨ましいと思う人へ【現役公務員からのメッセージ】
しかし、これが「妬ましい」という気持ちに変わったとき、相手に対する感情は
- 敵意
- 嫌悪
- 軽蔑
などのネガティブなものに変わります。
しかも、相手が「公務員」であればなおさらネガティブな感情は増幅されるでしょう。
なぜなら、自分たちが払った税金で生活している公務員は、本来なら「自分たちよりも劣った存在である」という潜在意識があるからです。
公務員が多くの民間企業や自営業とくらべて、
生活に余裕がある
身分・収入が安定してる
勤務条件がよい
ということについては、僕自身も強く実感していることです。
もちろん、「生活に余裕がある」かどうかは人によると思いますし、中には生活が苦しい公務員がいるのも事実です。
しかし、地方都市などで普通に生活していたら、生活に余裕が出るのは間違いないでしょう。
【現役地方公務員が解説】生活が苦しい地方公務員の3つのパターンとは?
本来なら劣った存在であるべき公務員が、恵まれた地位にある
このような意識があるため、公務員が嫌われやすい職業であることは間違いないでしょう。
マスコミや政治家などによって負のイメージが増幅されやすい
マスコミや政治家など発信力のある存在が公務員のネガティブイメージを拡散
これによって、それほど公務員を嫌っていない人が公務員を嫌いやすくなるようになります。
たしかに、マスコミ報道などをそのまま信じて、いきなり公務員を嫌いになるという人はそんなにいないと思います。
しかし、「公務員は嫌われるべき存在」という印象操作されることによって、全体的に公務員が嫌われやすくなるのは確かでしょう。
なぜ、マスコミや政治家が公務員に対するネガティブがイメージを拡散しているかと言うと、公務員を叩くことによって単純に自分の人気がアップするからです。
- マスコミが公務員の不祥事を報道することによって視聴率を稼ぐ
- 知事や市長などの「首長」がみずから、身内である公務員をバッシングすることで人気をとる
このように、みずからの利益のために、「公務員」というわかりやすい仮想敵を作り出しバッシングしているだけなのです。
なんとなく「公務員=悪」みたいな空気感によって、公務員は嫌われやすい存在になっていると言えるでしょう。
【体験談】実際、公務員になると嫌われるのか?
公務員になると実際に嫌われるのかどうか、僕自身の体験をお伝えしたいと思います。
結論を言うと、
今まで公務員という理由だけで嫌われたと思ったことはありません。
その理由は、じつは、
ほとんどの人は、公務員のことを好きとも嫌いとも何とも思っていない
からなのです。
ほとんどの人は公務員のことをなんとも思っていない
ほとんどの人は公務員に興味がない、というのが現実です。
最初に説明したとおり、たしかに、公務員は嫌われやすい存在です。
しかし、それはあくまで傾向として嫌われやすいだけであって、公務員が誰からも無条件に嫌われる絶対悪ではないということです。
まず、
- 一流企業の社員
- 弁護士
- 医者
など公務員よりも給料や待遇が良い人が、公務員を妬むことはほとんどないでしょう。
むしろ
安い給料で毎日頑張っててかわいそう
くらいにしか思っていません。
では、公務員よりも待遇・給料が悪い人公務員が嫌いかというと、必ずしもそうとは言い切れません。
なぜなら、世の中のすべての人が
安定した給料や充実した福利厚生に強い魅力を感じる
自分と他人を比べ、相手のことを妬ましく思う
という人ばかりではないからです。

公務員の安定は確かに魅力なんだけど、それよりも自分が帰りたいときにすぐに店を閉められる自由がいいんだよな
ある自営業の知人はこんなことを言っていました。
案外、ほとんどの人は公務員のことなんて何とも思っていないし、思っていたとしてもわざわざ口にするほどのことでもないと考えているのです。
まとめ
今回は「公務員は嫌われるのか?」というテーマについて解説しました。
この記事のまとめ
次の3つの理由により、公務員は他の職業よりも嫌われやすくなっている。
- 市民と接する公務員のレベルが低い
- 本質的に羨ましがられる
- マスコミや議員などによって負のイメージが増幅されやすい
ただし、実際に公務員になって嫌われるかどうかは自分次第。思っているよりも、公務員のことを嫌っている人は少ないので、そこまで身構える必要はない。