

今回は、このようなお悩みに現役公務員が回答します。
この記事の内容
そもそも公務員に独身が多いのか?
公務員が独身になりやすい理由
公務員が独身であることのデメリット
この記事の執筆者
キャリア5年以上の現役公務員
既婚者
公務員って独身が多いのか?

公務員は独身が多い職業
たまにこのようなことを聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか?
このことについて、
独身の公務員は多くない
というのが僕の正直な感想です。
感覚としては、今まで異動したどの職場でも、未婚率はだいたい20%くらいです。

民間企業と比べて、この数値が高いのかどうかはわかりません。
ただ、大体どこの部署でも8割以上が既婚者であるということを考えると、独身の公務員が極端に多いとは言えないのではないでしょうか。
公務員が独身になりやすい2つの理由
先程も説明したとおり、僕の周りを見るかぎり、公務員に独身がそれほど多いとは思いません。
それにもかかわらず、なぜ
公務員には独身が多い
などと言われるのでしょうか?
僕はこれには一理あると考えていて、公務員は結婚のタイミングを逃してしまうと独身になりやすい職業だとも言えるのです。
なぜ、このように言えるかというと、
- 職場での出会いが少ない
- 女性職員の経済的自立
という2つの理由によると考えています。
職場での出会いが少ない
そもそも、公務員は職場での出会いがとても少ないです。
なぜ、職場での出会いが非常に少ないかというと、
- 男女比のかたより
- 高い女性の既婚率
という主に2つの理由によると考えています。
1つ目の男女比のかたよりですが、これは、圧倒的に女性の比率が少ないということを意味します。
男性の数が多く、女性の数が少なければ、職場結婚に発展する可能性が低まるのも当然ですね。
たしかに、男性の数が多く、女性の数が少ないということであれば、公務員に限らず、どこの職場でもよくあることですよね。
しかし、公務員の職場が他の民間企業などと違うのは、女性の既婚率がとても高いということです。
そこで、2つ目の女性職員の既婚率の高さという話になります。
なぜ、公務員の場合、女性職員の既婚率が高いかと言うと、充実した福利厚生によって出産・育児と仕事の両立が可能だからです。
つまり、育休明けの職場復帰がとてもしやすいため、既婚の女性職員の割合が増えるのです。
女性の産休・育休取得率が100%というのは今では当たり前として、
父親である男性の長期間の育休取得率も高い
復職後も、時短勤務や子供の看護休暇制度などが柔軟に使える
など、普通と比べて公務員の職場は、育休明けの職場復帰がとてもしやすい環境といえます。
ここまで両立支援が充実していなければ、通常、出産を機に退職をせざるをえないことも多いでしょう。

もともと、男性職員よりも女性職員の方が圧倒的に少なく、しかも、女性職員のほとんどが既婚者という状況で、職場での出会いの可能性は低まってしまうのです。
女性職員の経済的自立
女性職員が経済的に自立しているということも、公務員が独身になりやすい原因だと言えます。
民間企業と違い、地方公務員は一般職と総合職に分かれていません。

つまり、女性職員も給与体系・昇給スピードにおいて、男性職員と全く同じなのです。
なぜ、女性職員の経済的な自立が独身のなりやすさにつながるかというと、比較的
女性が焦って結婚しようとしなくなるから
なのです。
とあるアンケート調査によると、男性よりも女性の方が結婚に対して「経済的な安定」を求めているという結果すら出ています。
出典:日本生命保険相互会社ホームページ「ニッセイ インターネットアンケート」
つまり、経済的に自立した公務員の女性にとって、結婚することのメリットが1つ少なくなっている状態なのです。
今だとさらに、
- 医学の進歩によって、出産できるタイムリミットが伸びてきた
- 価値観の多様化によって、独身でいることが普通になってきた
など、経済的に自立した女性にとって、焦って結婚する必要性はますますなくなってきています。
ちなみに、女性だけではなく、男性の側からしても、
- 年収
- 学歴
が自分よりも高い公務員女性を恋愛や結婚の対象にしたがらない傾向があります。
理由は単純で、女性に対してコンプレックスを感じるためです。
公務員の女性が相対的に年収が高く、結果的に高学歴が多いことは事実です。
このように、公務員の女性が経済的に自立していることによって、公務員が独身になりやすいのは間違いないでしょう。
公務員が独身であることのデメリット
公務員が独身であることのデメリットはあるのでしょうか?
もちろん、結婚しないことによって、
家庭が持てない
一人で寂しい
老後の不安が残る
など精神的なデメリットがあることはたしかです。
しかし、
相対的に年収が高い
老後も年金がたくさんもらえる
といった公務員にとって、独身であり続けることによる経済的なデメリットは一見ないように思われます。
というわけで、ここでは、公務員が独身であり続けることによってもたらされる経済的なデメリットについて説明したいと思います。
公務員が独身であることの経済的なデメリットは
- 福利厚生の恩恵を十分に受けられない
- 「家族」という言い訳が使えない
- 若いうちは経済的に苦しい
の3つがあると考えられます。
福利厚生の恩恵が得られない
公務員になる最大のメリットは、充実した福利厚生です。
結婚して子供が生まれることでこのメリットは最大化すると僕は考えています。
まず、結婚すると
結婚祝い金(10万円ほど)
結婚休暇(最大5日)
という福利厚生上のメリットがあります。
それから子供が生まれれば、さらに
子育て参加休暇(5日)
子供の看護休暇(1子に付き年5日)
育児休業(最長3年)
といった休暇・休業が取得できます。
それだけではなく、
出産費附加金
出産祝い金
扶養手当
など一時支給金・手当などもたくさんもらえます。

もちろん、子供が生まれれば養育費もかかるし、自分だけの時間がなくなるのは間違いないでしょう。
しかし、
- 一時金や手当がたくさんもらえるため、将来の養育費のために貯蓄できる
- 育休を取得して、男性もゆったりと子育てすることができる
といったメリットは、公務員ならではといえるでしょう。
独身であることによって、これらの恩恵をまったく受けることができないのは、非常にもったいないことなのです。
「家族」という言い訳が使えない
「家族」という切り札は、面倒くさい誘いを断るときに効果を発揮します。
面倒くさい誘いの最たる例は、「飲み会」です。
思いのほか、公務員の職場では飲み会が多いものです。
面倒なことに、たいていは1次会だけで終わらず、2次会・3次会と続くのです。
そして、最後まで必ず連れ回されるのは、だいたい独身の若手職員なのです。
好きで参加しているのならまだしも、飲み会が嫌いな人にとっては本当に苦痛でしかありません。
特に、次の日が仕事のド平日に開催される飲み会なんて地獄です。
仮病
ウソの用事
など、自分自身を理由にした言い訳は、意外とボロが出ることが多いのでリスキーです。
このようなとき、結婚して家族がいるだけで、家族を言い訳にして面倒くさい誘いを断ることが出来ます。
鬼嫁がキレている(本当は、「もっと職場の付き合いを大事にしろ」と言われている)
子供が調子悪い(本当は、家でピンピンしている)
といった言い訳は、思いのほか効果絶大なので重宝します。
独身であり続けることによって、仕事だけではなくアフターでも都合よく使われることが多くなります。
これは大いなる経済的損失にほかなりません。
若いうちは経済的に苦しい
公務員は、年功序列で給料が上がるため、30代にさしかかる頃になって、ようやく旨味が出てきます。
逆に言うと、20代までは収入が低いため、生活が苦しいのです。
さらに、独身であることによって、人事からはフットワークが軽い職員として扱われます。
そのため、へんぴな田舎の出先に配属されることが多くなるのです。

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この点、早くから結婚して、共働きで働けば、20代の苦しい時期をゆとりをもって過ごすことが出来ます。
さらに、配偶者が県庁所在地で働いていれば、そのことを人事サイドに伝えることで、出先に配属される可能性もぐんと下がるでしょう。
独身であることによって、20代までの若いうちはかなり苦しい生活を強いられることでしょう。
まとめ
今回は、「公務員の独身」というテーマについて解説しました。
この記事のまとめ
世間のイメージと反して、意外に独身の公務員は多くない
ただし、次の2つの理由から公務員は独身になりやすい職業だと言える
- 職場での出会いが少ない
- 女性職員の経済的自立
公務員が独身であることの経済的なデメリットは、次の3つがある。
- 福利厚生の恩恵を十分に受けられない
- 面倒くさい誘いを断るときに「家族」という言い訳が使えない
- 若いうちは経済的に苦しい