休暇

【体験談】「公務員は休業制度を活用しやすい職業だ」と思えた5つの理由

2021-01-28

公務員の「休業」は実際どれくらい取りやすいのかな?
公務員の「休業」にはどのようなものがあるのか知りたい

この記事では、現役地方公務員がこのような疑問にお答えします。

この記事の内容

公務員の休業制度のあらまし

公務員がとても休業を取りやすい職業だと言える理由

この記事の執筆者

キャリア5年以上の現役公務員

長期の「育児休業」を取得したことがある

公務員の休業制度について

公務員の休業とは、

  • 特定の活動に専念するため、
  • 公務員としての身分を有したまま
  • 仕事を離れることを認める

制度のことです。

地方公務員が活用できる休業制度は4つある

現在、地方公務員が活用できる休業制度は、「活動」の内容によって、

  1. 自己啓発休業
  2. 配偶者同行休業
  3. 育児休業
  4. 大学院修学休業

の4つが認められています。

すべて地方公務員法などで定められ、最長3年間認められています。

参考

育児休業    3歳までの子供を養育するため認められる休業

自己啓発休業 大学等進学または国際貢献活動のため認められる休業

配偶者同行休業 配偶者の海外赴任に同行するため最認められる休業

大学院修学休業 大学院に進学するため認められる休業(主に教員)

「休業」と「休職」はぜんぜん違う

「休業」と「休職」はよく混同されることが多い用語です。

しかし、一見よく似ているこの2つの言葉は、実は全く違うものです。

具体的には、

  1. 給料が支払われるかどうか
  2. 職員の申し出によるものか、それとも、職場からの一方的に命じられるものかどうか

の2点において異なります。

まとめると、次のようになります。

「休業」・・・職員の申し出を受け、職場が承認する。休業中は、原則無給

「休職」・・・職場が一方的に休ませる。最初の1年間は給料の一定額を補償

公務員の「休業」には自己都合のものしかないため「無給」

たしかに、民間(労働基準法)だと、休業には自己都合のものと会社都合の2パターンがありますね。

それに対して、公務員(地方公務員法)の場合、休業は自己都合のものしかありません。

これによって、

会社都合の休業(民間) → 休業補償として給料の一定額が支払われる

自己都合の休業(公務員)→ 休業中はすべて無給

という違いが生じます。

ただし、例外的に育児休業のみ、最長2年間給料の一定額が補償されます。

MR.K
ちなみに、これはあくまで、共済組合からの「給付金」であり、「給料」ではありません。つまり、形の上では、休業中はすべて「無給」なのです。

【体験談】公務員こそ休業制度が利用しやすい職業だと言える理由

さて、前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ本題に入ります。

地方公務員である僕が、実際に長期間の育児休業をとってみて、

公務員ってホントに休業しやすいな

と思った理由について説明したいと思います。

なぜ、公務員が休業制度を活用しやすい職業だと思ったかというと、

  1. 休業が長い方が職場に迷惑がかからない
  2. 人事異動によって人間関係がリセットされる
  3. 昇給・昇格にほとんど影響がない
  4. 休業というブランクの影響がほとんどない
  5. 管理職員が理解的

という5つの理由があるためと考えられます。

理由①休業が長ければ長いほど職場に迷惑がかからない

じつは、公務員の場合、1ヶ月とか3ヶ月など中途半端に休業するよりも、1年単位で休業する方が所属先の部署に迷惑がかかりません。

ポイントは年度単位で休業すること

ただ、一つ条件があって、それは年度区切り(4月〜翌年3月)で休業するということ。

なぜなら、

年度単位で休業すると、欠員補充される

からです。

反対に、年度区切りではない休業、つまり、年度途中から休業を開始したり復帰したりする場合、所属先に「在籍」していることになります。

欠員補充されないため、実質的に休業中の職員分の穴が空いていることになるのです。

MR.K
もちろん、「臨時職員」を募集することもできますが、それによってプロパー職員の穴は埋まりません

当然、議会や予算に直結するような重たい仕事を、半年しかいない臨時職員さんに任せられるわけがないのですから。

公務員の休業制度はほぼ年度区切りで取りやすい

幸いなことに、公務員の休業制度は、ほとんどが年度区切りで取得しやすくなっています。

たとえば、自己啓発休業(大学院進学休業)や配偶者同行休業は、「進学」や「転勤」のためのものです。

一般的に大学や企業の「進学」や「転勤」のサイクルは、地方自治体の事業年度(4月〜翌年3月)と同じですよね。

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それから、育児休業については、子供の保育園入園のタイミングで復帰というパターンがほとんどだと思いますが、保育園の入園は通常4月からです。

MR.K
実際に育休を取得してわかりましたが、年度途中の保育園入園はほぼ不可能でした!

もちろん、「出産予定日」など人為的にコントロールできない要素もあるので、年度途中から産休に入るのは致し方ありません。

しかし、復帰のタイミングを4月の保育園入園に合わせれば、まるっと年度単位で育休を取ることができるのです。

下手に年度途中で復帰するよりも、じっくりと子育てすることができますし、何よりも職場には喜ばれるでしょう。

このように公務員の休業制度は、そもそも年度単位で取得しやすいものがほとんどなのです。

年度区切りで休業を取得することで、1年単位の長期休業でも職場にほとんど迷惑を掛けることなくてすむのです。

理由②人事異動で人間関係がリセットされる

年度はじめに復帰するメリットは他にもあります。

それは、人事異動によって人間関係がリセットされるということです。

MR.K
町役場などの規模が小さい自治体はどうかわかりませんが、少なくとも、県庁規模の自治体であれば、ほぼ毎年の人事異動によって大幅に顔ぶれが変わります。

人間関係が出来上がっているところに、自分だけアウェーで飛び込むのは結構ストレスですよね。

休業明けの「休みボケ」している状態ではなおさらです。

たしかに、普通に仕事をしている職員にとって、人事異動は超ストレスです。僕もそう感じます。

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しかし、休業明けの職員にとっては、固定化された人間関係の中に入っていくよりも、またゼロから人間関係を作る方がマシかもしれません。

そういう意味では、休業明けの職員にとって、人事異動はむしろありがたいものです。

人事異動でガラッと人が変わってしまうので、自分だけではなく皆「はじめまして!」なのです。

復職後の人間関係に関しても、公務員の職場は休業が取りやすい環境と言えるでしょう。

理由③昇給・昇格にほとんど影響がない

公務員の場合、休業によって昇給・昇格にほぼ影響がありません。

これは、

休業期間を全て勤務したものとみなして、号俸を調整することができる

という文言が、しっかりと規則などに明記されているのです。

「号俸(ごうほう)」については、こちらの記事で詳しく解説しています↓

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人事院規則一九―〇 第十六条(育児休業をした職員の職務復帰後における号俸の調整)

 育児休業をした職員が職務に復帰した場合において、部内の他の職員との均衡上必要があると認められるときは、その育児休業の期間を百分の百以下の換算率により換算して得た期間を引き続き勤務したものとみなして、その職務に復帰した日、同日後における最初の昇給日(規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)第三十四条に規定する昇給日をいう。以下この項において同じ。)又はその次の昇給日に、昇給の場合に準じてその者の号俸を調整することができる。

MR.K
これは、国家公務員の育休に関する規則ですが、多くの地方自治体もこれにならい、同じ内容の条例を制定していますよ

もちろん、民間企業であっても「育児介護休業法」によって、

休業取得を理由にする不利益な取扱い

を禁止しています。

しかし、この「休業取得を理由にする不利益な取扱い」はとても曖昧な言い方です。

つまり、表向きに「休業」を理由にしなくたって、

  • 復職後の成績不良
  • 左遷ポストへの配置転換

などを理由にいくらでも昇給・昇格を遅らせることは可能なのです。

超成果主義の職業であれば、休業することで昇給が遅れてしまうことは容易に想像できるでしょう。

この点、公務員の場合、

休業期間も実際に勤務していたのと同じだけ号俸があがる、つまり、100%同じ額だけ昇給する

ということが規則等に明記されています。

ルールとして明記されているため、安心して休業制度を活用することができるのです。

理由④休業というブランクの影響がほとんどない

公務員の場合、休業というブランク(空白期間)が、復職後の業務能力などにほとんど影響を与えません。

なぜなら、業務分野が多岐にわたる上に、ジョブ・ローテーションを前提にしているからです。

MR.K
公務員だと、2〜3年で部署異同は当たり前で、同じ部署内のグループであれば1年で異動することすらあります。 つまり、担当業務が1年でガラッと変ってしまうことがザラなのです。

たとえ、今の業務をどんなに極めたところで、担当業務が変わってしまうことで積み上げてきたスキルは強制的にリセットされてしまいます

これによって、ブランクによる影響は最小限に抑えられます。

仮に、復帰直後の1,2年で本調子がでなかったとしても、次の異動のタイミングで頑張ればよいのです。

一方、

  • 分野・業種に特化した仕事
  • 単線的なキャリアパスの仕事

だとしたら、どうでしょうか?

例えば、超成果主義の不動産販売業者(営業職メイン)の会社などです。

この場合、

  • 営業スキル
  • 商品知識

などについて、休業中に同僚に差をつけられることで、その後のキャリアに悪い影響を与え続けるのではないでしょうか。

公務員については、このようなことはありません。

ブランクについて、ほとんど気にする必要はないでしょう。

理由⑤管理職が理解的

公務員の場合、休業・休暇に対して管理職員がとても理解的・協力的です。

協力的どころか、なかば押し付けてくる感すらあります。

MR.K
僕は嬉しいですが、しっかり稼ぎたい人にはむしろ迷惑かもしれません(笑)

なぜ、このように管理職員が協力的かというと、

部下の職員が積極的に休業取得をすることで、管理職員である自分の評価があがる

からです。

国や地方自治体の基本スタンスは、ワーク・ライフ・バランスの推進です。

自らが言い出した以上、推進役として民間企業のお手本になる必要がありますよね。

このような動きは現場の職員にも浸透しています。

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各職員が積極的に取組みためのインセンティブとして、管理職員の評価ポイントにもなっているのです。

公務員が「休業」から復職しやすいということについては、こちらの記事でも詳しく説明しています。

【現役公務員談】公務員の手厚い身分保障を実感した3つの出来事

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この点でも、公務員は安心して休業できる職業ということができるのです。

まとめ

今回は、「公務員の休業制度」というテーマについて解説しました。

この記事のまとめ

地方公務員が活用できる休業制度には次の4つがある。

  1. 自己啓発休業
  2. 配偶者同行休業
  3. 育児休業
  4. 大学院修学休業

公務員の休業は自己都合のものしかないため、休業中に給料は支払われない。ただし、育休のみ、「給付金」という形で給料の一定額分が補償される。

公務員は、次の5つの理由から、休業制度をとても活用しやすい職業と言える。

  1. 休業が長い方が職場に迷惑がかからない
  2. 人事異動によって人間関係がリセットされる
  3. 昇給・昇格にほとんど影響がない
  4. 休業というブランクの影響がほとんどない
  5. 管理職員が理解的

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