待遇

【現役職員が解説】地方公務員の福利厚生はどれだけ手厚いのか?デメリットについても

2021-02-03

公務員は福利厚生は、なぜ手厚いと言われているのかなぁ?
公務員の福利厚生のデメリットについても知りたい

この記事では、現役公務員がこのような疑問に対してお答えします。

この記事の内容

公務員の福利厚生が手厚いと感じたこと

公務員の福利厚生のここが良くないと思うこと

この記事の執筆者

キャリア5年以上の現役公務員

公務員の福利厚生が手厚いと思う点

有給休暇を取りやすい

年間平均140日以上

これは、地方公務員である僕のリアルな休日日数です。

一番多い年だと、年間159日も休みをとったこともありました。

このようなことは、ひとえに

公務員はとても有給休暇を取りやすい職業

だから可能なのです。

民間企業の平均的な年間休日日数は120日と言われています。

これと比較すると、公務員はとても休みが多いと言えるでしょう。

なぜ、公務員がこんなにも休みが取りやすいかというと、

休みを言い出しやすいから

という単純な理由からだと僕は考えています。

決して、公務員が楽で暇だからではありません。

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あくまでも僕個人の話ですが、

年間残業日数は、100〜300時間

年に数回は、終電後に退庁

という、今までそれなりに忙しい部署を異動してきました。

それでも、これだけ休めたのは、職場がとても休みやすい雰囲気だったからです。

MR.K
ことあるごとに管理職員が「休め」と言ってくれるのとそうでないのでは、休みの取りやすさに天地の差がありますよ

当然、休みを取ることで、それだけ仕事は増えます。

しかし、ハッキリ言って、公務員の仕事なんて前例踏襲のムダばかり。

ちょっとした工夫でいくらでも減らすことができるのですよ。

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さらに、面白いことに、忙しい部署に限って休みやすい雰囲気があふれています。

つまり、忙しい部署の職員ほどメリハリをつけて働こうとする人が多いのですね。

全体として、公務員の職場は、とても休暇を取りやすいと言えるでしょう。

長期休業を取りやすい

有給休暇だけではありません。

より長期間の「休業」を取得しやすいのも、公務員ならではと言えるでしょう。

もちろん、制度自体は、公務員と民間であまり違いはありません。

  • 育児休業
  • 介護休暇(休業)

などは、公務員だけではなく、どこの企業でも法律で認められています。

しかし、公務員と民間の一番の大きな違いは、

制度としてただ存在するだけではなく、実際にとても活用しやすい

ところだと思います。

実際に僕は、育児休業を1年以上取得したことがありました。

これって、民間企業ではありえないことらしいです。

たしかに、女性職員が産休から育休まで1年以上休業を取ることは、今の時代当たり前ですね。

しかし、男性職員が育児休業を1年以上とるのはとても珍しいことではないでしょうか。

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もちろん、僕だけではありません。

他にも長期の育児休業を取ったことのある男性職員を何人か知っています。

MR.K
6ヶ月が数人、わずかですが、1年という人もいます

育児休業だけではなく、

  • 自己啓発休業(大学等進学や国際貢献活動のための休業)
  • 配偶者同行休業(配偶者の海外転勤に同行するための休業)

など、公務員独自の休業制度も、同じように活用しやすくなっています。

学生時代には、自己啓発休業中の某県庁職員の方にお会いしたことがあります。

その人は、僕が通っていた大学に併設されていた大学院で2年間学ばれていました。

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全体的に、公務員は長期で休業をとっている人が多いという印象です。

医療・健康づくりに対する支援が充実

サラリーマンや自営業者など他の現役世代と比べ、

  1. 医療費の自己負担額は半分
  2. 高額療養費の自己負担額は1/3以下

と、公務員の医療費負担はとても低いです。

現役世代、つまり、普通のサラリーマンだと医療費の自己負担割合は3割ですよね。

これが、公務員だと、病院を受診したときの自己負担割合が1.5〜2割くらいになります。

MR.K
窓口で支払う額は、3割と他の現役世代とかわらないのですが、給付金という形で支払った額の30〜50%があとから補填される仕組みになっています。

それから、高額療養費、つまり、1ヶ月の医療費の支払い上限額についても、公務員は低く設定されています。

もちろん所得によって違いますが、公務員以外の現役世代だと、高額療養費の自己負担額はたいてい57,600円か80,100円のどちらかが多数派ではないでしょうか。

これがなんと、公務員だと、25,000円が上限です。

大きな手術を受けるときなどは、恩恵が大きいですね。 

それから、

  • 人間ドックが安く受けられる(10,000円以下)
  • 信じれないくらい高コスパの公務員向け生命保険や医療保険がある

と医療給付以外のメニューも充実しています。

病院に通ったり、ケガや病気で働けなくなったときのセーフティネットが手厚い

このことは、公務員の福利厚生のひとつの特徴と言えるでしょう。

結婚・出産に対する一時金が充実

公務員は

  • 結婚
  • 出産

などの慶事に対して、一時金が多くもらえます。

思いつくだけでも、

結婚祝い(相場は3万円前後 ※僕は10万円以上もらいました!)

出産費(一子につき42万円)

出産費附加金(一子につき3〜5万円)

出産祝い(相場は5万円前後)

などが一時金として支給されます。

ちなみに、「出産費」と「出産費附加金」とは、公務員以外の人(厚生年金や国民年金)がもらえる「出産育児一時金」に相当するものです。

つまり、公務員が出産した場合、45〜48万円(金額は自治体等による)ももらえるのです。

MR.K

出産育児一時金は42万であるため、少なくとも3万円以上も多くもらえることになるのですね。

もちろん、公務員本人だけではなく、扶養に入っている公務員の奥さんが出産するときも、これと同額が支給されます。

このように、公務員は、結婚・出産などの祝い事、特に出産については一時金がたくさんもらえるのです。

基本給はそこまで高くないが手当がすごく充実

公務員の場合、給料以外の金銭的報酬である「手当」がとても充実しています。

たとえば、今僕がもらっているだけでも

  • 扶養手当 扶養家族1人につき上限10,000円
  • 住宅手当 上限28,000円
  • 通勤手当 実費(6ヶ月定期券の費用相当額)
  • 地域手当 基本給の3〜20%

などがあります。

MR.K

ちなみに、手当だけで月8万円ほどはもらっています(※内訳は言えませんが)

僕はまだもらったことがありませんが、その他にも、

  • 単身赴任手当
  • 管理職手当

なども当然もらえます。

それから、国家公務員や一部の地方公務員の中には、民間企業ではあまり馴染みのない

  • 寒冷地手当 (月額最大26,380円 ※北海道・東北に勤務した場合の冬季のみ)
  • 特地勤務手当(最大基本給の25% ※離島等に転勤したとき)

といったものもあります。

たしかに、首都圏の大手企業のサラリーマンからすると、たいして魅力的ではないかもしれません。

首都圏の民間企業に勤める知人から、住宅手当を10万円近くもらえるという話を聞かされると、やはり羨ましいと思います。

しかし、「地方」というくくりで考えるとどうでしょう?

公務員の手当は、かなり充実しているほうですよね。

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公務員の福利厚生の良くないと思う点

オフィスがボロく、社内設備がない

ソフト面はものすごい充実しているのに、ハード面はしょぼい

公務員の福利厚生を一言で表すと、このような感じです。

つまり、給料・手当・休暇などはそこそこ良いのに対して、職場の設備や備品がボロばかり。

本庁舎の近代建築のそこそこ立派な外観に対して、中身はボロボロのハリボテです。

日焼けしたレトロな内線電話

使いまわして擦り切れた紙のバインダー

タイルの剥がれた床

まるで昭和から時代が止まっているかのようです。

MR.K
どこの県庁・市役所もだいたいこんな感じではないでしょうか?

もし、本当に県庁職員が「エリート」なのであれば、もう少しマシな職場環境で仕事がしたいものです。

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当然、

  • 事業所内保育所
  • 社内ジム
  • お茶やソフトドリンクの飲み放題
  • 無料の社員食堂
  • キレイな社員寮

といった福利厚生設備なんてありませんよ。

Googleみたいなオフィスに憧れまくりです。

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業務用の端末なし・通信費補助もなし

ほとんどの公務員には、業務用の端末(スマホ・ガラケー)が支給されません。

これは、事務職員はオフィスに張り付いて働くものという、古い考えによるものです。

しかし、近年では一般行政職の働き方も多様化していて、オフィスに張り付いて仕事するウエイトも年々減ってきています。

そんな中、業務用端末を支給されないのは結構キツいです。

うちの県庁では、例外的に

知事・副知事の秘書

出張が多い部署の幹部職員

のみ業務用端末を持つことが認められています。

もちろん、これはあくまでも僕が知りうる限りの話でして、他にも業務用端末を支給されている職員がいるかもしれません。

しかし、端末を支給されていない職員の方が、圧倒的に多数派であることは間違いないでしょう。

MR.K
個人的に特にキツいのが、議会時期です

議会中、関係者は議会にいることの方が圧倒的に多く、執務スペースにいることはほとんどありません。

当然、財政課や秘書課、部内の幹部とのやり取りは、ほとんど自前のスマホで行います。

議会の会期中は、通話プランを「かけ放題」に変更しています
MR.K

プライベートではほとんど通話することなく、基本的に通話プランは一番安いのにしているため、その分当然、毎月の携帯代は上がります。

業務用の通信費補助がないのは、なかなかイタイです。

制服支給なし・被服補助もなし

公務員、とくに男性職員は、基本的にスーツで仕事をしています。

いつ、議会に呼び出されたり、来客があったりしてもいいようにしているのです。

MR.K
県庁職員のように、内部管理業務メインの職場でも例外ではありません

しかし、当然、おもな業務は事務作業なので、イスに座っていることのほうが多いのです。

イスに座ったり立ち上がったりという動作を繰り返していると、スーツのズボンやジャケットの裾はすぐに擦り切れてしまいますね。

スーツを一着買い換えるのに、2万円、3万円とお財布から逃げていくのは切ないです。

「公務員にふさわしい服装をすること」が法律・規則で決められている

世間から、常に監視の目で見られている

ため、公務員の服装自由は不可能です。

  • 穴開きデニムとTシャツ
  • 青く染めた髪にピアス

もし、市役所の窓口職員が、このような格好で出てきたらどう思いますか?

MR.K
IT企業のような服装自由がうらやましい

制服支給、またはせめて、スーツの購入に対して一定額の手当はほしいものです。

あまりにも多すぎる能力開発研修

これのどこがデメリットかというと、

役に立たないうえに、仕事の足をひっぱる

からです。

研修施設に行って、研修を受けて帰ってくるだけで丸一日潰れます。

当然、研修を受けている間、仕事はたまっていく一方。同僚が処理してくれるわけではありません。

なぜ、民間企業向けの社外研修が、公務員にとってほとんど役に立たないかというと、

行政には、民間企業のような業務効率化という考えになじまないところがある

ためです。

公務員はそもそも、民間企業と違い「利益を上げる」というベクトルで動いていません。

なので当然、民間企業のように生産性をベースにした職員の評価指標もありません。

つまり、

  • 数値化できる成果指標(売上・営業利益)がない
  • 業務プロセスそのものも評価対象にできない(仕事のスピードが他部署の担当や上司に大きく左右される)

のです。

これは、公務員の年功序列がなくならない一つの理由でもあります。

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わざわざ教えに来ていただいている講師の方(コンサルタント・コーチングスタッフなど)には失礼だと思いますが、受講者の立場としてはこれがホンネです。

公務員として身につけた業務処理能力は、民間企業では全く汎用性のないスキルです。

これは、行政組織という特殊な環境の中でしか身につけることができません。OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の究極系なのです。

まとめ

今回は、「公務員の福利厚生」というテーマについて解説しました。

この記事のまとめ

次の点において、公務員の福利厚生は手厚い。

  1. 休暇・休業がとりやすい
  2. 医療・健康づくり、結婚・出産に対する支援が厚い
  3. 手当が充実

逆に、公務員の福利厚生が残念なのは、次のポイント。

  1. オフィスがボロく、社内設備がない
  2. 業務用の端末が支給されず、通信費補助もない
  3. 制服が支給されず、被服補助もない
  4. ムダな研修が多すぎる

 

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