


現役の県庁職員
出世コースの職員と日常的に仕事のやり取りをしていた

ちなみに、
出世コースの部署に配属される1つの基準は、採用試験で上位合格すること
そして、 上位合格するためには、公務員予備校に通うこと
こちらの記事では、公務員試験の上位合格者として、本気でおすすめできる予備校をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
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県庁で出世する人が行く部署はどこ?
- 財政課
- 人事課
- 企画課
- 秘書課
県庁職員の出世コースとして、よく耳にするのはこれらの部署ですね。実際のところはどうなのでしょうか?
これについては、おおむね間違いないでしょう。
ただ、僕が働いている県庁では、「企画課」はあまり出世コースではありません。これについては、のちほど詳しく説明したいと思います。
財政課
まず、財政課が県庁の出世コースということについては間違いありません。
財政課のおもな仕事は、
- 予算
- 議会
の2つですが、これらは県庁における最重要のパートです。
責任が大きく最重要パートに精鋭職員が配属される、というのは当然のことでしょう。
県庁で1番の出世コース
県庁で1番の出世ポスト
県庁で1番のブラック部署
これら2つの顔を併せ持っている部署が、財政課なのです。
財政課でのつらい時期を乗り越えれば、待っているのは「出世」です。
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そして、昇格して配属されるところは、
県庁の中枢的な部署
中央省庁(出向)
だったりします。
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財政課はどれくらい激務なのか?
財政課の繁忙期のピークは、予算編成期(毎年10月頃〜次の年の1月くらい)です。
この時期は、何日も家に帰れないことが当たり前になります。

なんて生ぬるいものではありませんよ。
深夜のタクシー帰りでも、毎日家に帰れたら幸せ
こんなふうに、だんだんと感覚がマヒしていくのです。
「予算」だけではなく「議会」も所管
それから、財政課が所管しているのは、予算だけではありません。
県庁では、予算の次に激務を強いられる仕事「議会」も受け持っている
のです。
※「予算は議会の議決を経て成立するもの」という建前から、多くの都道府県庁では、財政課が予算と議会を受け持っています。
年に4回開かれる議会ですが、会期は年間の営業日の1/3以上のボリュームを占めています。
会期中は、答弁調整のために、財政課の職員も事業部の職員も毎晩夜中まで残らされます。ほんとにムダな作業です。

予算と議会という2大業務を所管していれば、超絶激務になるのは当然なのかもしれませんね。
人事課
次に、人事課は、県庁における出世コースの部署なのでしょうか?
これについてもYESです。
トップクラスの調整力が求められる
人事課の職員は、県庁内でもトップクラスの調整力が求められる存在です。
なぜなら、「人事 ≒ 職員の生活」という、「予算」や「議会」よりもはるかに生々しい利害を調整する必要があるためです。
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少し言い方は悪いですが、予算や議会なんて、しょせんは他人事です。
いくら「県民のため」と言ったところで、じつは当事者意識はそこまでありません。
一方、「人事」はどうかというと、職員の直接的な利益が関わっているのです。
その証拠として、人事畑で高い調整力を身につけた職員たちは、若くして出生コースを歩んでいます。

人事課はどれくらい激務なのか?
人事課の忙しさのピークは、人事異動作業(毎年度の1月〜3月)の時期です。
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たしかに、財政課と比べたら激務度は少しマシかもしれません。
それから、人事課の出身者は、
決して無駄な仕事をしない
普段は、サービス残業をすることなく定時で帰宅
このような人が多いという印象です。
しかし、この人事異動作業のときだけは、例外なく毎晩夜中まで作業しているそうです。

とても仕事ができる人でしたが、人事異動作業の時期だけは毎晩夜中まで残業していたのをおぼえています。
「ひとつの部内の人事」だけでもあれだけ残業していたのです。
「県庁全体の人事」と考えたら、どれだけ大変か容易に想像できてしまいますね。
企画課(政策企画課)
企画課(政策企画課)は、県庁の出世コースなのでしょうか?

これについては、必ずしも出世コースとは言えません。
企画課が出世コースかどうかは、都道府県庁ごとに異なるようです。
じっさいに、企画課がどれだけ出世コースであるかは、
- 財政課と企画課の力関係
- 国と県庁の力関係
といった要素に強く影響を受ける傾向にあります。
そして、少なくとも僕の勤めている県庁に限っていうと、企画課は出世コースではないのです。
なぜなら、うちの県庁では、
- 財政課の力が強すぎる
- 基本的に国の言うことにただ従っている
ため、相対的に企画課の力が弱いためです。

幹部職員の経歴を見ても、企画部門の出身者はあまりいません。
秘書課
最後に、秘書課は、県庁における出世コースの部署なのでしょうか?
これは、YESといえるでしょう。
財政課や人事課ほどではないですが、秘書課出身の幹部職員も一定数います。
秘書課はどれくらい激務なのか?
秘書課の忙しさのピークは、「議会」ですが、年中忙しいという印象が強い部署です。
当然、
知事や副知事が忙しければ、秘書課の職員も忙しくなる
意外に地味な仕事が多い
意外かもしれませんが、秘書課の職員は一年中あちこちを飛び回るなんていうことはほとんどしません。

案外、ほとんどの秘書課の職員は、地味な仕事ばかりしていたりするものです。
たとえば、
議会の会期中は、知事が議会で読み上げる答弁書を毎晩夜中まで調整
知事がイベントに出席するときは、知事のスピーチ原稿をチェック
など、事務職員はどうしても、このような地味な仕事が多いのです。
県庁で出世する人が若手から出世部署を経験する本当の理由
では、なぜ、将来の幹部候補職員が、若手のうちからこれらの部署を経験させられるのでしょうか?
人事課の本音
その理由を一言で言うと、
幹部候補生のストレス耐性テスト
つまり、優秀と目される若手職員が激務の中でどれだけストレスに耐えることができるか実際に試してみる、という意味合いが強いのですね。
今まで色々な幹部職員を見てきて思うのは、
県庁で出世する人は、共通してメンタルがめちゃくちゃ強い
ということです。
これは、地方公務員という仕事の性質上、県庁で出世するためには、民間企業よりも高いメンタル力が求められる、ということがひとつの理由としてあるのかもしれません。
この記事で紹介した出世コースの部署に共通するのは、どこも例外なく激務であるということです。
実際にこれらの激務の部署に配属することで、ストレス耐性のありなしでフィルタリングできるのです。
つまり、
幹部職員としての資質(≒ストレス耐性)がある職員だけを、効率的にピックアップすることができる
のですね。
表向きな理由はともかくとして、人事サイドの本音はここにあるのではないでしょうか?
ストレス耐性テストは何度も繰り返されます。財政課・人事課・秘書課などの経験者は、出世して再びもとの古巣に戻ってくる、というパターンがほとんどです。
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「若いうちからヒトやカネの動きを支配」はウソ
優秀な若手職員を財政課や人事課に配属するのは、若いうちからヒトやカネの動きをコントロールすることを経験させるため
ネット上などでは、このようなことがよく言われていますが、僕はそのようには思いません。
なぜなら、若手職員が「権力の中枢でヒトやカネの動きをコントロール」なんてできないからです。
たしかに、財政課や人事課に配属されれば、ヒトやカネの動くルールを見て学ぶくらいならできるでしょう。
しかし、じっさいは、 知事をはじめとする幹部職員が、トップダウンで決めることがほどんど
予算事業の査定だって、財政課長や総務部長にレクチャーする段階で、すでに担当案なんて跡形もなくなっているのが当たり前です。

若手の担当職員ができることなど、何もありませんよ。
結局は、トップダウンの決定事項を、ただ淡々とブレークダウンするだけなのですね。
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おわりに(県庁で出世するメリットは?)
今回は、「県庁で出世する人が行く部署」というテーマについて、解説しました。
県庁の出世コースの部署はみな、かなりブラック気味であるということがおわかりいただけたでしょうか?
では、このような長く厳しい「ストレス耐性テスト」を耐え抜いてまで、県庁で出世するメリットはあるのでしょうか?
公務員が出世するメリットはない
僕は、
そこまでして、県庁で出世するメリットは全くない
詳しくはこちらの記事でまとめていますが、公務員が出世することにはデメリットしかありません。
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はっきり言って、公務員は出世するだけ損なのです。
- 手厚い身分保障
- 毎年勝手に昇給
- 30代前半で年収500万超 ※首都圏ではなく地方都市です。
- 年間140日以上休める
このように、出世のためにガツガツ働かなくても、ただ公務員であるだけで十分良い待遇が得られます。
公務員になるためにすることはたった1つ
公務員になるためには、
ただ採用試験に受かるだけ
はっきり言って、才能やコネといった特別なものは全く必要ありません。
合格点を取るために、着々と準備する
そして、 最も効率よく合格するためには、公務員予備校に通うこと
公務員試験の上位合格者として、時間がない人にも本気でおすすめできる予備校は下の記事でまとめています。
ぜひ、参考にしてみてください。
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この記事の執筆者
MR.K